何らかの手段で認証された人/モノが、その行為を行う権限を持っているかどうかを決定するのが認可であり、これは通常機械的に行われることが多い。
さらに、認証を経なくても認可されていることさえ証明できれば、特定の機能を利用できる、などの機能を提供するシステムもあるのだ。
そうした意味で、人間が認可を行うガオガイガーのような仕組みは、より原始的だといえるだろう。本講義でそこまで立ち入った内容に入ることはないと思うが、セキュリティの専門書を読んでいると細かい定義が問題になることも多いので、一応注意してほしい。
一方、法律業界でも認可という言葉ははっきりと定義されている。
今回のガオガイガーのように、大河長官が内閣総理大臣に要求する行為は、はっきりと認可といえる。他にも、例えば鉄道の運賃を値上げしたい場合、鉄道会社が主務大臣(ここでは国土交通大臣)に申し出て、それを了承されるのも認可である。
……話がややこしくて理解できなくなってきたかな?
本当は「認証」という言葉にも、セキュリティ業界的な意味と法律業界的な意味でいろいろある話をしておきたかったのだが……。
先ほど、「その製品が一定のクオリティーに達している」と公的機関、あるいは政府からお墨付きを得ることを認証と呼ぶ業界もあるといったが、それは法律業界のことである。
ここではこれくらいにしておこう。この辺り、とかく日本語は難しいことを実感する。
今回は「勇者王ガオガイガー」を題材に、認証と認可の違い、そしてそれが不可分であることを見てきた。いかがだっただろうか。
今回登場した内閣総理大臣の認可といえば、他にも映画「シン・ゴジラ」などほかの作品にも登場しているので、興味のある諸君はぜひそうしたシーンを探してみると良いだろう。
今回は政府側機関が地球を守るために認可を行うという内容だったが、次回は政府側機関が治安を守るためにハッキングを行うという、合法かどうかギリギリのネタをお送りしたいと思う。お楽しみに。
それでは今回の講義はここまで!
朽木 海 (ライター、編集者、γ-Reverse代表)
ゲーム会社や出版社などの「IPが欲しい会社」と、ライトノベル作家や脚本家、漫画家などの「IPを作りたいフリーランス」を繋げるためのプロジェクト「γ-Reverse」の代表。引き続きライター業や編集者業も行っています。
ITを活用する上で無視できない認証とセキュリティの話題を、楽しく分かりやすく伝える認証セキュリティの情報サイト「せぐなべ」。運営企業のパスロジは、企業向け認証プラットフォーム「PassLogic」や個人向けパスワード管理アプリ「PassClip」などを提供。ITmedia NEWSで認証関連の話題を分かりやすく解説する「今さら聞けない「認証」のハナシ」を連載中。
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