複数のiOSおよびAndroid版の体重管理アプリや月経予測アプリが、ユーザーに無断で個人データをFacebookに提供していると、米Wall Street Journalが2月22日(現地時間)、調査結果を添えて報じた。中にはFacebookユーザーですらない個人のデータも含まれているという。
Flo Period&Ovulation TrackerやBetterMeなど、日本でも人気のあるアプリを含む、少なくとも11本のアプリがデータをFacebookに提供していたという。いずれもユーザーに許諾を求めることはせず、Facebookへの情報提供を拒否する設定もない。
これらのアプリはすべて、Facebookの広告ツール「アプリイベント」を採用している。Facebookの説明によると、「アプリイベントとは、アプリの使用中に利用者が実行するアクションのことです。アプリイベントの最適化を使用すると、(中略)アプリ内で特定のアクションを実行する可能性が最も高い人にリーチします」という。
Wall Street Journalが幾つかのアプリをテストしたところ、例えばiOSの心拍管理アプリのInstant Heart Rate:HR Monitorの場合はアプリが心拍数を記録した直後にそのデータをFacebookに転送したことが確認できた。
FacebookはWall Street Journalに対し、こうした行為は開発者向けの規約に違反していると語った。規約では健康、経済状況などの機密情報は転送しないよう定めているという。
Facebookは、アプリイベントを最適化しているアプリからユーザー情報を収集していることは否定していない。同社は開発者に対し、アプリが提供するユーザーデータはFacebook上の広告やコンテンツのパーソナライズや市場調査のために利用すると説明している。
米AppleはWall Street Journalに対し、アプリストアのガイドラインでユーザーデータ収集にはユーザーからの事前了承を義務付けていると語った。だが、ユーザーがアプリ開発者に収集を許可したデータについて、開発者がさらに第三者に提供するかどうかまでは明記を義務付けていない。
Facebookはこれまで、こうしたプライバシーを懸念する記事に対し、公式サイトで反論を展開してきたが、本稿執筆現在、Facebookはまだこの報道に対する反論文を公開していない。
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