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「ロボットは難しそう」と思わせないために RPAの導入ハードルを下げるアニメキャラ活用(2/2 ページ)

» 2019年03月15日 13時20分 公開
[村田朱梨ITmedia]
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photo 受付係などで活躍するさくらさん

 人のように接することができるキャラクターがいることで「ロボットやAIはよく分からない」という人にも受け入れてもらいやすく、実際にヘルプデスクとして導入した企業からは「困った時はまずさくらさんに相談するようになった」といった声も出ているという。現在はさくらさん以外のキャラクターも増え、利用シーンや導入企業に合った姿で利用されることも増えてきた。

photo 「AIさくらさん」で使える6人のキャラクター

 さらに、ティファナ・ドットコムではAIさくらさんと連携できるRPAシステム「RPAさくらさん」も提供。利用先のPCにインストールして動かすスタンドアローン型のシステムで、プログラミング不要でデータの入力やメール対応、交通費精算などを代行するロボットを作成できる。音声対話ができるAIさくらさんと組み合わせれば、PC画面に表示したキャラクターに話し掛けてRPAシステムを動かし、作業が完了したら通知してもらうことも可能になるという。

さくらさんの次なる活躍の場は?

 そんなRPAさくらさんの問い合わせが増えているのが不動産業界だ。梨子田さんは「人件費の高騰もあり、大量の事務作業のために人を雇うべきか、ロボットに任せるべきかといった問い合わせが増えてきている」と話す。

hoto 「RPAさくらさん」

 不動産会社の店舗は情報の入れ替わりが激しいため、データ入力や書類作成といった業務も多い。引っ越しシーズンには客が次々と訪れ、物件の空き状況もすぐに変わる。新しい物件の情報も毎日のように追加され、そのたびにデータを入れたり整理したりしなければならない。店頭にあるチラシも貼ってははがしの繰り返しだ。日中は来店者の対応に追われ、閉店後にようやく事務作業に取り掛かるため、残業がどんどん増えていくケースも少なくない。

 しかし、そうした業務の多くは物件の空き状況をシステムに入力したり、部屋を探している人の情報を条件に合わせて抽出したりといった定型的なものが多く「RPAが役に立つ可能性が高い」と梨子田さんは言う。

 「(RPAの導入で)10時間以上掛かっていた作業が1時間で終わったケースや夜間に業務を終わらせることで残業を減らせたケースもある」(梨子田さん)

 今後ティファナ・ドットコムでは、不動産会社だけでなく、物件を貸し出すオーナーや管理人の業務にもRPAの導入を進めていく計画だ。横山取締役は「管理人の仕事は、受付や連絡、業者への取り次ぎといった定型的なものが多い。やろうと思えばAIやRPAで効率化できるはずだ」と話す。すでに何件か問い合わせが来ており、その数は増加傾向にあるという。

 「具体的な事例を知って初めて『これなら自分たちにも使えそうだ』と気付くこともある。私たちのようなシステム提供者からも情報を発信することで、RPAを浸透させることができれば」(横山取締役)

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