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「R2-D2」はハッキング上手? 「スター・ウォーズ」で考えるセキュリティ架空世界で「認証」を知る(2/3 ページ)

» 2019年03月25日 07時00分 公開
[朽木海ITmedia]

 本稿を企画している際、編集M氏と「フォースで認証を突破した場面があったような気がする」という話をしたのだが、実際はどうなのだろうか。取り急ぎオリジナル・トリロジーとプリクエル・トリロジーを見返してみたのだが、そうした場面は存在しなかった。印象だけで決めつけてはいけなかったようだ。

 そもそもフォースとはどのような能力なのだろうか。主に「予知」「認識能力の拡大」「直接触れずに対象を動かす」「身体能力の強化」「他人の心を読み取る」「他人の心を操る」「自分の考えを相手に送る」「癒やし」そして「霊体化」などがある。

 このうち、知識認証は「他人の心を読み取る」で突破できそうだが、実際はどうだろうか。残念ながらフォースの力では相手の感情の変化しか読み取れないという制限がある。そのため、パスワードやパスフレーズなどのような複雑な文言を読み取ることはできないようだ。

 実際、ダース・ベーダーがレイア姫にデス・スターの設計図のありかを聞き出そうとしていた時はフォースを用いず、自白剤などを使用していた(それでもレイア姫はありかを言わなかったのだが)。

 では「他人の心を操る」能力はどうだろうか。例えば検問を突破するような場面でストーム・トルーパーに心理操作を仕掛け、「探しているロボットはこれではない」というような思い込みを植え付けることは可能である。

 しかし、強い信念を持つ人物に対しては心理操作が効かないため、「コードギアス 反逆のルルーシュ」のギアスのようにパスワードを渡してもらうようなことは不可能なようだ。

 その他「直接触れずに対象を動かす」は、鍵のかかった扉の裏側にあるボタンを押すようなことは可能かもしれないが、実際にそういう場面はなかった。

 ちなみに外伝作品まで含めれば、電子回路を修理もしくは誤動作させるような能力を持つジェダイは存在するようなので、彼らならばあるいは認証を突破することが可能なのかもしれない。

無敵のハッキング能力を持つ「R2-D2」

 一方で、認証を突破するのを得意とするのはドロイドのR2-D2である。もともとは惑星ナブーの王室専用機に備え付けられた宇宙船や電子機器の操作を主目的としたドロイドで、高度な電子頭脳を持ち、宇宙船などの操縦、電子、機械修理はもとより、暗号解読からハッキングまでなんでもござれである。

 ただし、どこでもハッキングできるわけではなく、通信ソケットを施設のドロイド接続用ポートに接続し、メインコンピュータと接続しなくてはならない。ここに至るまで戦闘をかいくぐったり、見つかるピンチを脱したりなど、さまざまな冒険を繰り広げるのだ。

 一度つないでしまえばそこからはR2-D2の独壇場だ。数秒で地図を取得したり、扉を操作したりできるようになる。さすがに最もセキュリティの厳重なところを直接操作はできないようだが、味方の人間をサポートし、大活躍を見せる。

 敵地の基地にセキュリティが存在しないということはないだろうが、基本的に主人に忠実なドロイドがハッキングを仕掛けるということは想定されていないのだろう。ドロイド接続用ポートからの認証は比較的緩く設定されているのかもしれない。

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