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» 2019年03月25日 18時09分 公開

AIが株式投資をサポート、「資産運用は難しい」払拭へ HEROZとSMBC日興証券

SMBC日興証券とAI(人工知能)ベンチャーのHEROZが、AIで株式投資を支援するサービスを共同開発。ネット取引における資産運用を活性化させる狙い。

[村上万純,ITmedia]

 SMBC日興証券とAI(人工知能)ベンチャーのHEROZは3月25日、AIを活用して個人向けの株式投資をサポートする「AI株式ポートフォリオ診断」を共同開発したと発表した。SMBC日興証券でネット取引を行う「ダイレクトコース」利用者向けに3月29日から提供する。

AI SMBC日興証券とAI(人工知能)ベンチャーのHEROZが「AI株式ポートフォリオ診断」を共同開発

 追加投資金額、購入を検討している銘柄とその市場、リスク許容度を選ぶと、AIがリスクと期待収益を考慮して株式投資のポートフォリオを提案。保有している銘柄の情報を基に、AIが売買すべき銘柄を表示して資産運用をサポートする。株式を保有していないユーザーも同様にポートフォリオを作成できる。

AI 「AI株式ポートフォリオ診断」の画面
AI 「AI株式ポートフォリオ診断」の画面

 AI株式ポートフォリオ診断には、将棋AIで培ったHEROZの独自AI技術「HEROZ Kishin」を活用した。ディープラーニングの手法を用い、上場銘柄の決算データ(売上高、営業利益、総資産など)と株価データ(始値、終値、高値、安値)を学習させた株価予測AIが、1カ月先の期待収益性を銘柄ごとに数値化。その数値を基にそれぞれのユーザー向けにおすすめ銘柄を提案する。ユーザーはスコア化された数値は見られない。予測モデルは年2回更新する。

AI AIが株価を予測

「資産運用は難しい」をAIで払拭

 SMBC日興証券は、ネット取引での株式資産運用について課題を抱えていたという。

 同社の丸山真志さん(ダイレクトチャネル事業部長)によると、ネット取引では1年間取引実績がなく、実質的に“休眠状態”になっているユーザーが少なくない。また、その内の85%は「保有している銘柄は5つ以下」という状態だ。「多くの銘柄を持ち、分散投資する方が利益が出る傾向がある。ネット取引は自己責任、自己判断といわれることもあり、投資はしたいがどうしていいか分からないという人たちも多い。AIで投資のきっかけをコンスタントに提案したい」(丸山さん)

 HEROZの浅原大輔CFOは、「AIの優位性は網羅性にある。人間の場合は数百程度の銘柄しかチェックできないと思うが、AIなら普段見ないような銘柄も含め3000もの上場銘柄を基に予測できる。プロの人間に匹敵する相当熟練したレベルになってきており、バックテストの結果を見てもAIを使うと資産が増える可能性が高いといえる」と話す。

AI バックテストでは、全額を日経平均に投資した場合の資産と比べ、AIの提案の方が優れていたという

 丸山さんは「今後、ほとんどのお客さまがAIを使うようになると思う」と語った。店舗での対面営業でもAIによる資産運用を提案することで、株式投資の取引全体の活性化を狙う。

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