AIアシスタントと連携し、音声でコントロールできるスマート家電が少しずつ増えている。シャープが3月29日に発売したBlu-ray Discレコーダー「AQUOSブルーレイ」もその一つ。新製品の「2B-C20BT3」など7機種が音声コントロールに対応した。しかし、レコーダーの場合、声でどのような操作ができるのだろう。
AQUOSブルーレイはGoogleアシスタントに対応している。設定は、レコーダーをホームネットワークに接続し、専用アプリ「AQUOSスマートスピーカーコネクト」を使ってAQUOSブルーレイをGoogleのサーバに登録する。
AIアシスタントによる音声操作はスマートフォンやタブレットのGoogleアシスタント(iOSの場合はアプリのインストールが必要)、Googleアシスタントに対応したスマートスピーカーからの入力に対応している。また、Android TVを搭載した同社の液晶テレビ「AQUOS」のリモコンでも音声入力操作が行える。
BDレコーダー内蔵のHDDは年々大容量化の一途を辿ってきた。ユーザーにとっては残量を気にせず番組を録画できることはありがたい反面、番組を録りためてしまうと消化できないままコンテンツが埋没し、録ってあることすら忘れてしまいがちだ。そのコンテンツの山の中から目的の番組を音声操作を使って一発で呼び出せたらどうだろう。
AQUOSブルーレイの場合、録画済み番組やこれから放送される番組の検索や、録画番組の視聴を音声操作でシンプルにできる。例えば録画番組は番組名や出演している俳優などの名前をキーワードとして発話し、検索・再生が可能だ。ソフトウェアキーボードでタレントの名前を入力するといった手間はない。
連続ドラマのようなシリーズ物では「昨日の××が見たい」といった具合に日時を指定して探せる。再生中の操作も可能で、例えば歌番組やスポーツの試合など長時間の放送番組は、声で「30分送って」といったジャンプ再生ができる。
では、録画予約などより複雑な操作も音声でできるのだろうか。シャープでAQUOSブルーレイを担当する岩崎宏之さん(スマートTVシステム事業本部 国内TV事業部BD推進部参事)は「可能です」と答えた。
実はGoogleアシスタントから、AQUOSブルーレイに付属するリモコンに配置されたボタンによる操作と「同じこと」が音声ですべて行える。つまり「上下のカーソル移動」や「決定」ボタンも音声入力すれば、録画予約はもちろん、録画ファイルを編集してBDにバックアップしたり、本体の設定を変更したりといった複雑な操作も音声で行える。
ただ、毎度「ボタンを押す」操作のたびにGoogleアシスタントを呼び出すのは逆に煩雑だ。またリモコンに何のボタンが配置されているか、リモコンを見ずに声に出せる人は少ないだろう。実機で試したわけではないが、おそらくリモコンを使った方が早い。
したがって、カーソルの上下左右・決定といった単純なGUI操作はリモコンのボタンを押し、より複雑な操作を音声入力で行うといった形で使い分けることになるだろう。このとき、AQUOSのリモコンでも音声操作が行えるのはとても便利だ。
理想はやはり、ユーザーが頻繁に使うであろう操作を「ショートカット」のようにプログラム化して、音声を使って動かせるようにできることだ。例えば音声操作で「録画した連ドラのダイジェスト版を作ってファイルに保存」して、それをスマホに書き出して通勤電車の中で見られたら最高だ。
このような動作を実現するには様々な問題をクリアする必要があるだろうが、シャープの岩崎氏は今後ソフトウェアのアップデートで様々な機能を追加できると話していた。ぜひ「BDレコーダーならでは」の音声操作を活用したスマート機能を実現してもらいたいと思う。
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