4月7日(日)の午後1時20分ごろ、スマートフォンゲーム「Pokemon GO」(ポケモンGO)のイベント中に障害が発生しました。折しもGPS週数ロールオーバーが起きた日とあってネット上には障害と結びつける書き込みが散見されましたが、結論から書くと関係ありませんでした。
ポケモンGOの障害は、昨年10月の「コミュニティデイ」と似た状況でした。まずポケモンを選択しても捕獲画面に移らなくなり、再起動するとポケストップやジムが消滅。ポケモンたちは画面からいなくなり、「しあわせたまご」や「おこう」「ほしのかけら」といったアイテムのカウントだけが進みます。ポケモンGOは、見た目がほぼ「さら地」という不親切な地図アプリと化しました。
正常に戻ったのは午後2時前。その後は目立ったトラブルはなく、午後8時のイベント終了を迎えました。
一方、4月7日はおよそ20年に一度の「GPS週数ロールオーバー」の日でもありました。
GPSでは、運用が始まった1980年1月6日午前0時(日本時間の午前9時)を起点とする「GPS時」が使われています。GPS時は10ビットの情報しか扱えず、そのために年、月、日、時間、分は使わず、週と秒だけで時間を示しているのが特徴。そして2の10乗(8ビット)——1024周目(約19.6年)になるとゼロに戻ります。これがGPS週数ロールオーバーです。
GPSを利用する機器はこの特殊な時間に対応する必要がありますが、1999年8月に起きた最初のGPS週数ロールオーバーではカーナビなど一部機器でトラブルが発生しました。今回、ポケモンGOの障害とGPSを結びつけた人たちは、その時のイメージを持っていたのでしょう。
しかし、GPS週数ロールオーバーは日本時間の午前9時とポケモンGOのイベントが始まる前。ポケモンGOを開発・運営しているNianticも、障害の原因は「システムの問題」とし、GPS週数ロールオーバーとの因果関係については否定しました。
20年という月日を経てGPS対応機器は爆発的に増えましたが、同時に対策も進んでいました。今後はNianticの対策とトレーナーへのフォローも期待したいところです。
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