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「ゲームではなく、リアルな金融取引を体験して」――Tポイント投資で「本物の株」が買える理由(2/2 ページ)

» 2019年04月10日 15時41分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]
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銘柄のレコメンド機能も実装予定

 CCCマーケティングの北村和彦社長は「投資に対して『失敗した時が怖い』『元手がない』といった不安を抱える若者は多いが、今回はいつもためているTポイントを利用できる。買い物のおまけを使って投資する感覚を持ってもらえるよう、利用開始のハードルを下げている」と説明する。

 北村社長によると、2月末時点で過去1年間に「Tポイントカード」を利用した経験のあるユーザーは約6888万人。同カードの発行枚数は累計3億枚超に上るなど、既に圧倒的な顧客基盤を築いている。中でも20〜30代の約8割が会員という試算もあり、これを生かして若者の獲得を急ピッチで進める構えだ。

 サービス開始当初は未対応だが、ゆくゆくはCCCマーケティングが持つTポイントの購買データなどを分析し、ユーザー個々人に適した銘柄をレコメンドできる仕組みも実装する予定。「どの銘柄を買えばいいか分からない」という若年層の悩みの解消を目指す。

photo Tポイント会員の属性

取引手数料を撤廃、定額で取引し放題

 ポイント投資を手掛ける企業だけでなく、競合する証券会社とも差別化を図るため、ネオモバでは料金体系を工夫。若年層が利用しやすいよう、取引ごとに手数料が発生するモデルではなく、月額料金制のサブスクリプションモデルを採用している。

 ネオモバの料金プランは、月額200円(税別、以下同)を支払うと、月間売買代金の合計が50万円以内であれば何度でも取引できる仕組み。月額1000円(上限300万円)、月額3000円(上限500万円)、月額5000円(上限1000万円)といった各プランも設ける。

 月間売買代金の合計が1000万円を超える場合は、上限額を100万円引き上げるごとに月額1000円がプラスされる。投資に詳しい人に向けた制度も整え、上級者の獲得も並行して行う。

Tポイントが資産に姿を変える

photo ネオモバの画面の一例

 利用の促進に向け、ユーザーに毎月200ポイントを付与するほか、サービス利用料100円ごとに1ポイントを提供する。ウェルスナビのロボアドバイザー「WealthNavi」と連携し、全自動の資産運用(最低投資金額1万円)にも対応する。

 使用感も工夫し、他社サービスの証券取引画面に多い、黒い背景にチャートや数字が並ぶ画面デザインを撤廃。白い背景に保有資産額を分かりやすく表示させたり、簡単な手順で取引できる仕様にしたりと、直感的な操作に対応している。

 SBIネオモバイル証券の小川社長は「ネオモバでは、Tポイントが(株という)命の長い資産に姿を変える。初心者や若年層は(定額で)何度でも株の取引ができるネオモバで株式投資に慣れ親しんでほしい」と強調する。

 Tポイントの顧客基盤と購買データを武器に、「スマホでできる若者向け株式投資」という他社と異なる立ち位置で攻める同サービスは、若者の支持を獲得できるのか。今後の展開に注目したい。

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