フランスのパリ中心部にあるノートルダム大聖堂で、4月15日夜(現地時間)ごろから大規模火災が発生し、多数のメディアが生中継している(本稿執筆現在、まだ完全には鎮火していない)。
各メディアは、米Google傘下のYouTubeのチャンネルでも生中継している。ところが、ノートルダム大聖堂の一部のライブ動画を米国で表示すると、その下に9.11(2001年に発生した米国の同時多発テロ)についてのWikipediaが表示され、物議を醸した(現在は表示されない)。
米BuzzFeedのライアン・ブローデリック記者のツイートによると、NBCやFrance 24のライブ動画に同じWikipediaの記事が表示された。米The VergeはCBSでの表示の画像を紹介している。
YouTubeは米国で、昨年7月、フェイクニュース対策の一環として、動画検索結果に関連ニュース記事へのリンクを表示する機能「情報パネル」を追加した。
ノートルダム大聖堂の火災と9.11は無関係だが、YouTubeのアルゴリズムは炎上する塔の映像と、煙に包まれたツインタワーが類似していると誤認してしまったようだ。
YouTubeの広報担当者はBuzzFeedに対し、「情報パネルはアルゴリズムで追加されるのだが、システムは時々誤動作する。ノートルダム大聖堂火災関連のライブストリーム向け情報パネルは無効にした」と語った。
YouTubeの親会社であるGoogleは2月、フェイクニュース対策に関する白書を公開し、アルゴリズムだけでなく人間も対策に従事していると説明したが、情報パネルについてはアルゴリズム任せのようだ。
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