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» 2019年04月23日 08時00分 公開

「JKより上手い」「お役所感がない」首相官邸インスタが話題 “中の人”の正体に迫る(2/3 ページ)

[片渕陽平,ITmedia]

 「企ててやろう」――ファンを獲得するため、中の人たちの試行錯誤が始まった。Tさんが「特に力を入れました」と話すのは、ハッシュタグの活用だ。

 例えば、18年7月、香取慎吾さんと安倍首相のツーショットを投稿した際は「#シンゴと#シンゾー」という遊び心ある言葉に「#オリジナルスマイル」といったハッシュタグを添えた。オリジナルスマイルは、香取さんが所属していたSMAPのシングル曲だ。

 ハッシュタグで検索して首相官邸のアカウントにたどり着いたファンが、Twitterなど他のSNS上でも話題にし、ファン同士の間で広がる――そのような展開もあり、地道にフォロワーを獲得していったという。新元号「令和」の発表会見で、安倍首相が平成のヒット曲として『世界に一つだけの花』に言及した際も、写真にハッシュタグを添え、香取さんをきっかけにフォローしたファンにも喜んでもらえるよう工夫した。

photo 香取慎吾さんと安倍首相のツーショットを投稿した際は「#シンゴと#シンゾー」「#オリジナルスマイル」というハッシュタグを添えた=首相官邸のInstagramアカウントより

 直近の投稿でも、ハッシュタグを巧みに活用。冒頭で紹介した桜を見る会のストーリーズには「#ジェネ」というハッシュタグが付いている。ジェネとは、片寄さんが所属するGENERATIONS from EXILE TRIBEの愛称だ。「ファンがどのようなハッシュタグを使っているかを調べて取り入れています」(Tさん)

 Tさんらは普段、Twitterを眺めたり、検索エンジンの「リアルタイム検索」結果で上位に入っているワードをチェックし、話題の言葉をハッシュタグに取り入れるよう努力しているという。桜を見る会の動画ではお笑いタレントのカズレーザーさんが登場する場面で、「『令和』と『和令』(かずのり、カズレーザーさんの本名)がニアピン」というネット上の話題をハッシュタグにして投稿した。

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 色合いや文字のサイズにも、こだわりがみられる。例えば、タレントのIKKOさんの決めぜりふ「どんだけ〜」は「ど」「ん」「だ」「け」「〜」と一文字ずつサイズを変え、IKKOさんの声量を表現している。Tさんは「昨年の桜を見る会でも、芸能人の方々との交流はありましたが、あまり派手にせず、そのまま動画を掲載していました。今年は、お笑い芸人さんのトーンに合わせてデザインを考えたほうが、視覚的にインパクトが出るのではないかと工夫しました」と話す。

 「芸能人の皆さんも自身のInstagramに写真をアップしているので、安倍首相が芸能人と一緒に映っている写真をそのまま投稿したところで、ファンからはあまり驚かれないと思っています。文字やデザインで目立たないと『いいね』やフォロワーの獲得には結び付きません」(Tさん)

 こうした裏では、事前に安倍首相のスケジュールを把握しながら、どのような工夫ができるか、中の人たちの間でアイデアを共有するという苦労がある。「(話題をキャッチできるように)アンテナを張り、チーム内でシェアしながら『これならいけるのではないか」と意見を出し合っています」(Oさん)

 事前に入念な準備をしておくことは、スムーズな投稿にもつながる。内容に誤りがないか、関係者の間でチェックするには「結構時間がかかる」。そこで「事前に関係者の間で『こういう投稿がありえそうだ』とイメージを共有しておくことで、投稿の意思決定を早くできるよう工夫しています」とOさんは説明する。

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