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「JKより上手い」「お役所感がない」首相官邸インスタが話題 “中の人”の正体に迫る(1/3 ページ)

» 2019年04月23日 08時00分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 「お役所仕事感がないクオリティーだ」「JK(女子高生)より扱い慣れている」――首相官邸のInstagramアカウント(@kantei)がネット上で話題だ。特に、首相官邸のアカウントが投稿した動画(ストーリーズ)は、ポップなフォントとハッシュタグを効果的に使い、視聴者からは「“中の人”は、本物の女子高生?」といった声も上がっている。

photo 「桜を見る会」で安倍首相と片寄涼太さんが談笑する様子を撮影した動画。「#3年A組」「#朝礼ダンス」などハッシュタグを効果的に使っている=首相官邸のInstagramアカウントより

 例えば、安倍晋三首相が開催した「桜を見る会」(4月13日、新宿御苑)を紹介する投稿も手が込んでいる。イベントに招待した片寄涼太さん(GENERATIONS from EXILE TRIBE)やタレントのIKKOさんたちと、安倍首相が談笑している動画を撮影し、「#桜を見る会」といったハッシュタグとともに投稿したのだ。片寄さんが映っている場面には「#3年A組」(出演ドラマのタイトル)などファンには分かるハッシュタグも挿入している。

 「女子高生やギャルはいません」と笑うのは、内閣官房 内閣広報室のOさん。実際は30歳前後の男性10人弱が、Instagramの他、Twitterなど8つのSNSアカウント、内閣官房の公式サイト、メールマガジンを協力しながら運用している。

 特にInstagramのアカウントは「伸び盛り」で、4月22日現在、16万人以上のフォロワーを抱えている。だがそのレベルに至るには、地道な試行錯誤があった。SNSを巧みに運用する中の人たちに舞台裏を聞いた。

「企ててやろう」

 首相官邸のInstagramアカウントを開設したのは昨年1月。Oさんは「Instagramは他のSNSと比べて10〜20代の女性が多いと考えています。そうした人たちに、政府の動きや首相官邸のイベントに関心を持ってもらおうと運用を始めました」と話す。しかし開設したばかりの頃はフォロワー数が少なく、投稿も拡散されにくかったという。

photo 左から内閣広報室のKさん、Tさん、Oさん

 同じく内閣広報室のTさんは「普通、オフタイム(休み時間)にInstagramで官邸の情報を進んで見ようと思う人はそんなにいないと思います。特に若い女性はなおさらです。そうした人たちが『時間を無駄にしなかった』と思えるように、ちょっとした驚きを込めようという思いが根底にあります」と語る。

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