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減収減益のDeNA、“ポケモンとの協業”でゲーム事業の巻き返し図る

» 2019年05月10日 18時25分 公開
[村上万純ITmedia]

 ディー・エヌ・エー(DeNA)が主力のゲーム事業で苦戦している。同社は5月10日、2019年3月期の連結決算(18年4月〜19年3月)を発表。売上高1241億円(前期比11%減)、営業利益135億円(同51%減)と減収減益だった。新たにポケモン社と協業し、新規のスマートフォンアプリでゲーム事業の巻き返しを図る。

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DeNA 守安功社長

 伸び悩んだゲーム事業は売上高836億円(同15%減)、営業利益183億円(同27%減)と減収減益だ。守安功社長は「既存タイトルのみに依存すると今期(19年4月〜20年3月)も前期比で減収減益になる見通しだ。いま複数仕込んでいる新規タイトルのヒットに期待している」と説明する。

 同社はポケモン社と協業し、ポケモンに関するスマートフォンゲームを今期中に配信する予定。ゲームの内容やリリース時期などは未定で、順次案内する。DeNAは任天堂とも協業しており、「スーパーマリオ ラン」「どうぶつの森 ポケットキャンプ」「ファイアーエムブレム ヒーローズ」の3タイトルを配信中。現在クローズドβテストの参加者を募っている新作「マリオカートツアー」は今夏配信予定だ。

 守安社長は新規タイトルに大きな期待を寄せる一方で「どれだけヒットするかは読みづらいため、合理的で具体的な今期の見通しを算出することは困難」としている。

 ゲーム事業以外では、プロ野球の横浜DeNAベイスターズの運営を始めとするスポーツ事業を成長させる他、オートモーティブ事業とヘルスケア事業に投資を続けて新たな収益の柱に育てる考えだ。オートモーティブ事業ではタクシー配車アプリ「MOV」が順調な立ち上がりで、来期以降の本格的な収益貢献を目指すとしている。ヘルスケア事業では、Preferred Networksと共同でディープラーニングを用いたがんの早期発見システムの共同開発に取り組むなどR&D(研究開発)も進めている。

 19年3月期はオートモーティブやヘルスケア事業の他、動画サービス「SHOWROOM」といった動画事業などに73億円を投資したが、20年3月期は100億円規模の投資を行う予定だ。

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