米カリフォルニア州北部地区連邦地裁は5月22日(現地時間)、2017年1月に米連邦取引委員会(FTC)が米Qualcommを提訴した裁判で、Qualcommが独禁法に違反したという判断を示した。
この訴訟でFTCは、Qualcommがスマートフォンでの通信に欠かせない「ベースバンドプロセッサ」の支配的サプライヤーであるという立場を悪用し、端末メーカーに対して反競争的な供給と不公正なライセンス供与を強いることで、競合他社を弱体化させていると主張している。
連邦地裁のルーシー・コー判事は判決文で、Qualcommはスマートフォンメーカーに過剰なライセンス料を課すことで、競争を阻んでいると結論付けた。
同氏は、Qualcommに対し、顧客とのライセンス契約を再交渉し、競合するプロセッサメーカーにも合理的な速度でライセンス供与するよう要求した。
Qualcommは同日、この判決に強く反対するとして、控訴裁判所に控訴すると発表した。
Qualcommのライセンス慣行については、米AppleもFTCに続いて提訴したが、今年の4月に和解した。
- Qualcommを米FTCが独禁法で提訴
米独禁法当局の連邦取引委員会(FTC)が、Qualcommを独禁法違反の疑いで提訴した。ベースバンドプロセッサにおける支配的地位を悪用し、端末メーカーに不公正なライセンス供与を強制しているという。また、Appleに対してベースバンドプロセッサの独占供給の報奨金を支払っていたとも。
- AppleとQualcomm、特許紛争で全面和解 半導体供給含むライセンス契約締結
AppleとQualcommが、2017年から世界で争っていた特許訴訟で全面和解した。AppleがQualcommに(金額は不明だが)支払いを行い、半導体供給を含むライセンス契約を締結した。
- AppleもQualcommを提訴、Qualcommは「根拠なし」と反論
Appleが、米連邦取引委員会(FTC)に続いてQualcommを提訴した。Qualcommが不当な特許ライセンス料を請求し、Appleに支払うべき約10億ドルの報奨金を保留したとして、10億ドルの賠償金を求めている。Qualcommは公式に反論した。
- Qualcommを米FTCが独禁法で提訴
米独禁法当局の連邦取引委員会(FTC)が、Qualcommを独禁法違反の疑いで提訴した。ベースバンドプロセッサにおける支配的地位を悪用し、端末メーカーに不公正なライセンス供与を強制しているという。また、Appleに対してベースバンドプロセッサの独占供給の報奨金を支払っていたとも。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.