いまの学生の中で「AI人材やエンジニアになりたい」と考える人は少数派――マイナビの調査で、そんな結果が出た。ビッグデータ分析やアルゴリズムの作成など、AIに関連した業務を行える人材の需要が高まっているが、企業側のニーズと学生の志望度には大きな乖離(かいり)があるようだ。
同社が2020年に卒業予定の大学生・大学院生に意見を聞いた結果、75.4%がデータサイエンティスト、各種エンジニア、コンサルタントなど「AI・IT職」を志望しないと答えた。専攻との関連性が強い理系でも、男子の67.1%、女子の81%が同様の回答をした。
特に志望度が低かった職種は、セールスエンジニア(1.1%)、カスタマーエンジニア(1.7%)、システムコンサルタント(2.8%)、データサイエンティスト(3.3%)、システムの保守・運用担当(4.2%)、ネットワークエンジニア(4.7%)――など。
志望度が低い背景には、AIに対する漠然とした不安があるとみられ、学生からは「スキル・知識がないから(活用できるか)不安だ」(27.4%)、「具体的に(AIを活用して)働くイメージができない」(19.8%)、「適正がないと感じるため不安だ」(12.2%)、「自分の就きたい仕事には関係ない」(3.4%)といった意見が出た。
一方、「(AI導入によって)業務効率が上がると期待している」(33.3%)、「環境への適応力があるので特に心配はしていない」(13.1%)、「具体的に働くイメージができているので特に心配はしていない」(5.6%)など、AIの普及・活用に好印象を持つ層も一部みられた。
だが、AI・IT職を志望している2割超の学生からも、「(企業が)どの程度のプログラミングスキルを求めているのか、基準が分からない」(61.1%)、「選考でみられているポイントが分からない」(25.5%)、「必要とされる能力が分からない」(15.6%)などと選考基準を不安がる声があった。
マイナビは「企業側のニーズと学生の志望度に大きな乖離(かいり)がある」「企業は学生の理解を促すために、募集の際は具体的な業務内容や必要とされるスキルなどを明確に示す必要があるだろう」と指摘している。
調査は4月24〜30日にかけて、就活支援サービス「マイナビ2020」の会員を対象にWeb上で実施。7342人から回答を得た。
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