ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

「PCエンジン」の商標を、BIGLOBEが持ってるワケ

» 2019年06月12日 17時24分 公開
[岡田有花ITmedia]

 往年のゲーム機「PCエンジン」を小型化して復刻した「PCエンジン mini」が6月12日に発表され、話題になっている。

画像 PCエンジン mini(コナミデジタルエンタテインメントの公式サイトより)

 「PCエンジン mini」のニュースリリースには、権利元として「BIGLOBE Inc.」の名が。BIGLOBEは、ISPや格安スマホ事業、ポータルサイト運営などを手掛けるKDDI傘下の企業だ。

 ゲーム機開発とは縁遠そうなBIGLOBEだが、PCエンジンの商標(「PC Engine」「PC\Engine」)を、コナミデジタルエンタテインメントと共同で保有している。なぜBIGLOBEが、ゲーム機の商標を持っているのだろうか?

画像 PCエンジン miniのニュースリリースより(下線は筆者)

 それを知るためにまず、PCエンジンの歴史からひも解いていこう。PCエンジンは、NECホームエレクトロニクス(当時)とハドソン(当時)が共同で開発し、1987年に発売したゲームハードだ。NECホームエレは2001年に解散。ハドソンは12年、コナミデジタルエンタテインメントに吸収合併されており、両社とも今は存在していない。

 87年当時、PCエンジンの商標は、NECホームエレとハドソンが保有していたが、01年のNECホームエレ解散時、親会社だったNECが引き継いだ。その後06年にNECからBIGLOBE事業が分社化され、NECビッグローブが設立された際に、PCエンジンの商標を、NECビッグローブが承継したという。

 NECビッグローブは14年、投資ファンドに売却された後、16年にKDDIに買収された。このためBIGLOBEは現在、KDDIのグループ企業になっているが、もともとはNECがルーツの企業であり、PCエンジンとも関係があった――というわけだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.