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「丸くなる虫は少ないんです」 累計100万個販売の「だんごむし」開発者が「かめ」に目を付けた理由東京おもちゃショー2019

» 2019年06月15日 07時00分 公開
[村上万純ITmedia]

 「ダンゴムシの次は、カメです」

 ダンゴムシを1000%スケールで立体化したバンダイのカプセルトイ「だんごむし」は、発売から約10カ月で累計100万個を販売する大ヒット商品になった。見た目のインパクトから、ネット上では発表直後から大きな話題に。

 開発担当者の誉田恒之さん(ベンダー事業部 企画・開発第一チーム マネージャー)は、「みんな売れないだろうと思っていたので、社長を含めて社員みんなが驚いていた」と反響の大きさを語った。

 そんな誉田さんが次の題材に選んだのは昆虫ではなく、は虫類の「かめ」だ。なぜカメなのか。「東京おもちゃショー2019」で、誉田さんに聞いた。

バンダイの「ガシャポン生きもの展」ブース
話題になったカプセルトイ「だんごむし」。さまざまな色のだんごむしが飾られている

「丸くなる虫は多くない」

 カプセルレスのだんごむしは、丸まった状態でごろりと自販機から出てくる姿も話題になった。同じコンセプトの商品を考える上で、誉田さんは「実は、体が丸くなる虫は多くない。そこでカメに目を付けた」と話す。

 「最近は女性の間で、は虫類の人気が高まっている。カメは購入金額こそ高くないが、30年以上生きることもあり飼うためのハードルが高い生き物。虫と違って気持ち悪がる人もいないので、幅広い人にペット感覚で手に取ってもらえるはず」(誉田さん)

 だんごむしのときと同様、本物のカメの骨格や甲羅(こうら)の構造を徹底的に研究し、製品の外観や内部構造に生かしたという。頭を甲羅の中に引っ込めるときは首がS字状になるのも本物と同じだ。自販機からは、手足と頭が収納された状態で出てくる。

新商品「かめ」のプロトタイプが展示されている

 価格は500円。インドホシガメ、ギリシャリクガメ、インドホシガメ(アルビノ)、ギリシャリクガメ(アルビノ)の4種類をラインアップする。19年内に全国のカプセル自販機で発売する予定だ。

 全長約10センチの手のひらサイズ。誉田さんは「リクガメは丸く盛り上がった甲羅が特徴的で非常にかわいらしい。癒やしのペットになってくれることは間違いない」としている。

「スズメバチ」「おおかまきり」など参考出品

 展示ブースでは、カプセルレスのシリーズとして「スズメバチ」「おおかまきり」など昆虫のカプセルトイも参考出品された。スズメバチは、体を丸めてお尻の針で敵を攻撃するときの動きを忠実に再現したという。おおかまきりは、しなやかな造形と可動を再現するべく研究中としている。こちらは腹部を反らせるようにして丸みを再現するようだ。

「スズメバチ」
「おおかまきり」

 他にも外国人観光客を意識し、東京タワーや浮世絵のデザインをあしらっただんごむしや、フランス領ギアナ(南米)の森で発見されたという全身トゲトゲのコシビロダンゴムシの試作品などが展示された。

全身トゲトゲのコシビロダンゴムシ
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