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» 2019年06月19日 07時00分 公開

Interop Tokyo 2019:ネットワークで時刻合わせる「NTPクロック」、開発の狙いは

ネットワークにつながっているITシステムと同じように、NTP(Network Time Protocol)で時刻を合わせられる「NTPクロック」を、セイコーソリューションズが「Interop Tokyo 2019」に出展。開発の狙いは。

[高橋睦美,ITmedia]

 ネットワークにつながっているITシステムと同じように、NTP(Network Time Protocol)で時刻を合わせられる「NTPクロック」を、セイコーソリューションズが「Interop Tokyo 2019」(6月12日〜14日、千葉・幕張メッセ)に出展した。昨年発表したPoE(Power over Ethernet)対応モデルと、今年発表した無線LAN対応モデルの2機種だ。

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 PoE対応モデルは、既存のPoE対応スイッチの空いているポートに接続すれば利用できる。一本のイーサネットケーブルでネットワーク接続と給電が可能だが、反面、配線工事の手間などがかかる。

 これに対し、今年発表した無線LAN対応モデルは、文字通り無線LAN経由でネットワークに接続する。しかも電池駆動となっており、PoE対応モデルのように配線の手間がなく、普通の時計と同じように手軽に設置できることが特徴だ。

 手動で時刻を合わせる時計に代わり、広く普及した電波時計だが、電波の届かない場所、例えば工場やオフィスの奥まった部屋や地下では時刻合わせができない。電波を増幅させて届けるリピーターという手法もあるが、コストや手間がかかる。NTPクロックは、そうした課題を解決する狙いがある。

IT機器同様、時計もNTPで時刻合わせ

 NTPとは読んで字の通り、ネットワークにつながるIT機器に正しい時刻情報を提供するプロトコルだ。PCやサーバ、ルーターなどが搭載している「NTPクライアント」は、ネットワーク越しに「NTPサーバ」から正しい時刻情報を受け取り、補正することで、常に正確な時刻を表示する。

 ITシステムを構成する機器間で時刻がずれてしまうと、大事になることは容易に想像できるだろう。あらかじめスケジュールしておいたタスクが正常に処理されない可能性があるし、障害発生時にログを見て原因を究明しようにも、時刻が同期されていないと分析が難しくなる。

 最新技術のデモンストレーションを兼ねつつ、Interop Tokyoの会場内をカバーするネットワークインフラとして機能する「ShowNet」でも、NTPは地味ながら重要な役割を果たしている。複数の機器でクラスタリング構成を採る場合をはじめ、時刻同期には気を遣って運用しているという。

 セイコーソリューションズは長年、衛星測位システム「GNSS」や電話回線による時刻供給システム(テレホンJJY)、FMなど複数の時刻ソースをサポートしたNTPサーバ製品を提供し、ShowNetにもスポンサーとして協力している。

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 NTPクロックはそうしたノウハウが一周回って、セイコーグループのもともとの中心事業である「時計」に適用されたものだ。従来「壁時計は電波時計で、ITシステムはNTPサーバで」というように別々に時刻を合わせていたものを、ネットワーク経由でNTPサーバに集約し、一元的に管理できるようにする。

監視カメラやIoT機器も対象に?

 同社は、施設内に導入した複数のNTPクロックを最大1440台まで一元管理できる「NTPクロック監視ソフトウェア」も提供している。施設内のどこにNTPクロックが置かれているかをグラフィカルに表示し、時刻のずれなど異常があればアラートを送ることで、導入後に同期漏れなどが発生していないかを把握できる仕組みだ。

 さらに、時計だけでなく、NTPに対応したさまざまなIT機器も含め、NTPの運用状況を一元的に管理できる「NTP統合監視システム」というアイデアも、イベント会場で披露していた。PCやサーバなど、ネットワーク機器に加え、NTPクロックも含め、ネットワーク上のあらゆるNTPクライアント搭載機器を把握し、適切に時刻同期がなされているかを管理するもので、来場者の反響を踏まえて提供を検討する。

 正常なオペレーションはもちろん、セキュリティインシデントが発生した際のログ解析作業にしても、この先普及してくるであろう監視カメラの画像解析やIoT機器の運用にしても、デバイスごとに時刻がずれていては状況整理だけでも時間がかかり、スムーズな運用はままならない。

 同社は、そうした時代の到来をにらみつつ、ネットワーク経由で正しい時刻を提供するNTP関連ソリューションを提供していくという。

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