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ファミマ、モバイル決済「FamiPay」を7月から提供 クーポン、レシートもアプリで「財布いらず」目指す

» 2019年06月27日 11時19分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 ファミリーマートは、独自のモバイル決済サービス「FamiPay」を7月1日から提供する。決済機能に加え、クーポンや回数券なども使えるスマートフォンアプリ「ファミペイ」(iOS/Android)を公開。ファミリーマートの店舗で200円の買い物につき、1円相当の電子マネーを還元する。

photo ファミリーマートの澤田貴司社長(右)

 店頭での支払い時、スマホアプリの画面上にバーコードを表示し、店員が読み取って決済する。電子マネーのチャージは、店頭で現金を支払うか、クレジット機能が付いた「ファミマTカード」と連携してアプリ上で行える。「他のクレジットカードとの連携は考えていないが、今秋には銀行口座との連携を予定している」(同社)という。

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「財布のいらないコンビニを目指す」

 スマホアプリでは、会員属性(性別や年齢)と購買履歴を基に、おすすめ商品のクーポンも配信する。買い物の内容を確認できる「電子レシート」機能や、対象商品を購入するたびにスタンプが自動でたまり、一定回数たまるとクーポンなどがもらえる機能も備える。8月からはコーヒーなどが割安になる「FamiPay回数券」も提供する。

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 11月からはTポイントに加え、dポイント、楽天スーパーポイントなどのポイントサービスとも連携する。ファミリーマートは2007年以降、一貫してTポイントのみを採用してきたが、「客の利便性を向上させるため、オープン主義を展開する」としている。

 同社の植野大輔さん(経営企画本部デジタル戦略部長)は「財布には現金以外にもカード、レシート、クーポンなどが入っている。(そうした機能も搭載し)財布のいらないコンビニを目指す」と意気込む。

「ファミチキ」無料クーポンなどで総額88億円を還元

 ファミペイの提供開始に合わせ、スマホアプリをダウンロードして会員登録を済ませた人には、ファミチキなどの商品と無料で引き換えられるクーポンを付与。7月1〜31日まで、電子マネーをチャージすると、チャージ額の最大15%相当を還元するキャンペーンも展開する。こうした施策を通じ「総額88億円を還元する」(植野さん)という。

 ファミリーマートは、既にLINE Pay、楽天ペイ、PayPay、d払いなども導入している。ファミリーマートの澤田貴司社長は「顧客がさまざまなモバイル決済サービスを使えるようにしながら、(自前でも)それらに勝るサービスやキャンペーンを展開したい。囲い込むことはせず健全な競争をしながら、加盟店への送客につなげる」と話している。

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