GoogleとGoogler(Googleの従業員のこと)がまた対立しています。今度は6月30日開催のLGBTQコミュニティの祭典、プライドパレードを巡ってです。
Gaygler(GoogleのLGBTQの従業員のこと)が中心になり、「YouTubeでのゲイへの嫌がらせを放置するGoogleにプライドパレードに参加する資格はない!」と署名運動を展開しました。
プライドパレードは、LGBTQの文化を讃え、権利を主張するイベント。主に6月下旬に、今では日本でも各地で開催されています。サンフランシスコのプライドパレードは特に、企業にとって「うちはダイバーシティ重視してるもんね」とアピールする機会でもあるので、多数の大企業がスポンサーになっています。
上の画像には入っていませんが、FacebookやDisney、Uber、日産もスポンサーです(Twitterは不参加)。
スポンサー企業はパレードで、企業ロゴを掲げて行進します。自分もゲイだとカミングアウトしたティム・クックCEO率いるAppleチームは毎年参加し、ツイートしています。
Gayglerたちが問題にしているのは、YouTuberが同性愛者を侮辱するような動画を公開し、侮辱された本人がYouTubeに対策を求めているのに適切に対応しない(とGayglerたちは考えている)ことです。
Gayglerと彼らを支持するGoogler有志は「Ban Google From Pride」(プライドからGoogleを締め出せ)というチームを作り、TwitterとMediumで運動を展開しています。
Gayglerチームはまず、Google側と話し合いを持ち、パレードでGoogleのYouTubeでの対策に反対していいか?と確認しました。それに対し、Google側は、パレードでGoogleに反対するならGoogleチームとしてではなく、個人でやって、と答えました。そうしないと「Google Code of Conduct」(就業規則のようなもの)違反になるぞ、と。
そこで、チームはサンフランシスコプライドパレードの主催者に署名付きでGoogle締め出しを要求しました。主催者側は「オープンで互いを尊重する対話を奨励する」し、Googleはサンフランシスコプライドパレードを長年(2007年から)支援しているし、確かに今のGoogleはもっとやるべきことがあるけれど、締め出しはしないことにすると答えました。
そして、GayglerたちがGoogleとは別の「レジスタンス団」チームとしてパレードに参加することを認めました。公平な決定ですね。
自分が働いている会社が間違ったことをしていると思ったら、従業員同士で組織を作って反対する文化は健全だと思います。お酒を飲んでぐちぐち言って何も行動しないよりずっと。
Googlerはこれまでも、職場でのセクハラなどの改善を求める抗議デモで一定の成果を上げたり、「Project Dragonfly」への反対運動でとりあえず計画中断を実現したり、しています。
ただ、抗議デモをリードした従業員が職場で嫌がらせされる問題も起きています。今回、Google側がCode of Conductを持ち出して警告しているのが気になります。パレードが無事に終わり、Google側が何らかの改善をしてくれるといいのですが。
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