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JAXAとトヨタの有人月面探査ローバ、市販車ベースに試作へ 共同研究協定締結

» 2019年07月17日 10時39分 公開
[ITmedia]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタ自動車は7月16日、月面探査の際に宇宙飛行士が乗り込む、燃料電池車技術を使ったモビリティ「有人与圧ローバ」について、2019年6月末〜21年3月末にかけて3年間、試作や検証を行う共同研究協定を結んだと発表した。一般市販車をベースに改造した車両で試作車を製作し、実験・評価する。

画像 ニュースリリースより

 月面探査は、国際的な宇宙探査計画の一環で、2029年〜34年を予定。過酷な月面で1万キロ以上走破できるローバが必要とされており、有人与圧ローバの共同開発は今年3月に発表していた。ローバは全長6メートルと、マイクロバス約2台分の大きさを想定。内部では宇宙服を脱いで活動できるようにする。

 今回結んだ共同研究協定ではまず、2019年度に、月面走行に向けて開発が必要な技術要素を識別し、市販車をベースにした試作車のの仕様を定義。20年度に部品を試作し、試作車を作る。21年度には、試作した部品や試作車を使って実験・評価を行う。

 その後は、22年以降に1/1スケールの試作車の製作・評価、24年以降に、エンジニアリングモデルの設計・製作・評価、実機の設計に進む計画。27年以降には、フライトモデルの製作と性能・品質の検証を行っていく予定だ。

 トヨタは今年7月1日付で、専門組織「月面探査車開発」を立ち上げ、年内に30人規模まで拡大する計画も発表している。

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