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» 2019年07月18日 15時20分 公開

アスクル岩田社長、怒りと困惑の記者会見 ヤフーの強硬手段は「全てが不可解」 (1/2)

親会社のヤフーと対立しているアスクルが記者会見を開催。ヤフーから退陣を求められている岩田彰一郎社長が登壇し、「全てが不可解」と怒りをあらわにした。岩田社長の退任は避けられない見通しだが、「他に解決の糸口がないか話し合っていきたい」という。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 オフィス用品の通販事業を手掛けるアスクルは7月18日に記者会見を開き、親会社のヤフーと対立している件について、現時点での見解を発表した。ヤフーはアスクルの業績不振を理由に、共同運営するECサイト「LOHACO」の事業譲渡や、岩田彰一郎社長への退陣などを要求している。会見には、ヤフーから退陣を迫られている岩田社長が登壇し、「全てが不可解」と怒りをあらわにした。

 岩田社長が不可解だと感じている点は、ヤフーが(1)役員全員の刷新ではなく、社長のみの退陣を求めている点、(2)ヤフー側から次期社長を送り込もうとしない点、(3)LOHACOの譲渡だけを求め、譲渡後のプランを説明していない点、(4)レピュテーションリスク(評判・業績が下がるリスク)を冒してまで強硬な手段に出ている点――など。

 岩田社長は現状を踏まえ、「ヤフーと業務・資本提携した際に交わした書面には『イコールパートナーシップの精神でEコマースでナンバーワンを目指す』『(アスクルは)上場会社として(独立した)事業運営を維持する』と書かれているが、その実効性が損なわれようとしている」と遺憾の意を示した。

photo 「全てが不可解」だと語る、アスクルの岩田彰一郎社長(=左)

問題の経緯は?

 アスクルとヤフーは、2012年4月に資本・業務提携を締結。同年10月にLOHACOをスタートした。15年にはヤフーによる出資比率(議決権ベース)を約45%に引き上げ、提携を強化していた。その後は「シナジーを発揮できていた」(岩田社長、以下同)という。

 だがヤフーは、LOHACO事業で赤字が続いていることや、アスクルの19年5月期の連結業績で、純利益が前年同期比90.7%減となる4億3400万円に低下したことを問題視。19年1月にLOHACO事業の譲渡を、6月には岩田社長の退陣を求めた。ヤフーは、アスクルが8月2日に開催予定の定時株主総会で、岩田社長の再任議案に反対票を投じる方針を固めている。

ヤフーの社長交代とともに関係性が変わった

 かつて良好な関係を築いていたヤフーが態度を一変させたことに対し、岩田社長は「ヤフーの宮坂(学)前社長とは、強固な関係を築けていた。ヤフーから出向してきた社員もいるが、いい仲間として一緒に仕事をしてきた。だが、社長が(川邊健太郎氏に)代わってから、関係が変わってきた」と経緯を説明。

 「支配株主の横暴によって、『独立社外取締役を入れて、真面目にコーポレートガバナンスに取り組んでも全く機能しない』ということが示された。少数株主や、多くのステークホルダーの意向は無視されている。こうした状況では、資本市場において企業の信頼性が失われてしまう。そのため今回の会見の場を設け、あえて問題を提起することにした」と述べた。

photo アスクルとヤフーが資本・業務提携を締結した際の文書。アスクルの独立性を維持する旨などが記されている
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