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AI人材の三者三様、DeNA・メルカリ・ABEJAが語る「いま欲しい人材」(2/3 ページ)

» 2019年07月22日 12時42分 公開
[村上万純ITmedia]
AI組織を統括する山田さん

 「どうやったら外部から見て魅力的に映るかはすごく意識している。そのおかげでエンジニアの採用はうまくいっており、不足しているとは思っていない」(山田部長)

 一方で、優秀なエンジニアを束ねるマネジャーや、事業部と話し合って適切に案件をハンドリングできるプロダクトマネジャーは不足しているという。山田部長は「(そうした人材には)技術をサービスに変えるマインドが求められる」と指摘する。

 また、基本的に採用活動は国内だけに目を向けているという。

 「(AI人材については)日本のトップ層を根こそぎ採りたいと思っている。コミュニケーションロスが大きいこともあり、海外のトップ層には目を向けていない」(山田部長)

「不足するプロマネは社内で育成」 メルカリの場合

 フリマアプリ「メルカリ」を手掛けるメルカリは、機械学習エンジニアとサービスへの実装をするエンジニアなど約40人のAI人材を抱える。19年10月には新卒約20人が入社し、60人ほどのチームになる予定だ。DeNAと異なり、グローバルでの採用にも積極的だ。

 メルカリには数十億を超える豊富な商品データがあり、エンジニアは大規模なデータセットを扱える。アプリに実装したAI機能が多くのユーザーに使われることも、エンジニアたちのモチベーションにつながっているという。

木村さん

 メルカリもDeNAと同じ課題を抱えている。メルカリの木村俊也さん(Director of AI Engineering)は、「エンジニアの採用はスムーズになってきたが、ビジネスインパクトを与える土台を作るプロダクトマネジャーが枯渇している」と嘆く。

 こうした課題を解決するため、同社ではプロマネ向けにOJT(実務を通じて業務を教える方法)形式の研修を開発した。例えば「AIで解決したいビジネス課題」「それをAI以外で解決する方法はあるか」「ビジネス課題を解決したときの効果はどのようなものか」といった項目に関して議論し、理解を深めていく。

 アプリユーザーの利便性を高めるため、今後はスマートフォンなどエッジ側で機械学習の推論処理ができるような技術開発も進めていくという。

社内でプロマネ研修を実施

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