AI実装プラットフォームなどを手掛けるAIベンチャーのABEJAでは、1つの専門性を持ちながら領域横断的に活躍するAI人材が求められている。
同社の菊池佑太執行役員は、「70人規模の会社なので、1人の人間が横断していろいろな業務をやらないといけない現状がある。社長はよく『全員野球』と表現している」と笑う。マネジメント層は個々のキャリアを重視しており、個人の能力を最大化できるよう柔軟にタスクを変えることも意識しているそうだ。
同社のAI人材は、機械学習エンジニア、システムへの実装をするエンジニア、AI活用を支援するコンサルティングやプロジェクトマネジャーに大別される。メルカリと同様、グローバルでの採用活動を行う。「AIの民主化」を実現するため、社外でのAI人材育成支援にも積極的だ。
そんなABEJAが求めるのは、「ビジネスとしてうまみがありそうなポイントをビジネス領域に展開できる人材」(菊池執行役員)だ。「期間や費用対効果など含め、適切な課題設定ができることが重要。(研究開発を行う)リサーチャーのマネジメントができる人も必要だ」(同)
3社に共通するのは、エンジニアを束ねるマネジャーと、ビジネス課題を解決できるプロダクトマネジャー不足に悩まされていることだ。そして、これは3社に限った問題ではない。
こうした根深い問題の解決に向け、国も動き出している。経済産業省が民間企業と協力して進めるAI人材育成事業「AI Quest」もその1つ。ビジネス課題や社会問題を広く解決できる人材を育てる体制を早期に整える狙いだ。これらの計画を実現するには、業界を超えた協力が必要になってくるだろう。
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