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EVでのドライブはフォントとUIの近未来デジタルネイティブのためのフォントとデザイン(2/3 ページ)

» 2019年07月31日 06時30分 公開
[菊池美範ITmedia]

EVコクピットのフォントとデザイン

 EVであるLEAFも、ステアリングやペダル類のように身体によって直接コントロールする部分は昔のクルマとそれほど変わらない。ただしそれ以外の操作系は、デジタルフォントとアイコンでコクピットが満たされているといってもいいクルマだった。ドライバーへのコンピュータによるサポートが強くなってきた現在、フォント使いによる文字の視認性は重要度を増しているし、アイコンの使い方も一歩まちがえば誤操作を招きかねないことから、綿密で慎重な開発と検討がなされているはずだ。

 電車や飛行機のように高度な訓練を受けたプロが操作するのではなく、免許をとりたてのビギナードライバーからベテランのドライバーまでスキルのレベルと経験はさまざま。つまり「操作を迷うことなく安全に」行うためのデザインは生命に関わる部分でもある。その意味でLEAFはフォントのサイズ、ボタンやパネル内照の明るさ、画面に表示されるアイコンとピクトグラムは適切なものだった。

 この体験ドライブ、実は東京外環自動車の多重衝突による深刻な渋滞に巻き込まれたために、高速道路上で首都高速の入り口から狭山PAまで合計6時間以上を要するという事態となった。そんな状況の中でも、運転支援システムであるプロパイロット、イーペダルのアシストを表示するフォントやアイコンは、疲労度を軽減する適切なサイズと色使いだったと好印象を持っている。これが以前所有していた運転支援のないクルマ(古いマニュアルミッション車)だったら、疲労度は倍どころではなかったはずだ。

  • LEAFに搭載されているEV専用NissanConnectナビゲーションシステムは、Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応しているので、スマートフォンの操作に慣れている読者の方々ならより便利なドライブ体験を享受できるだろう。CarPlayの対応については、iOSに慣れ親しんだユーザーなら便利そうだ
photo お借りしたLEAFのドライバーズシートからみたステアリングとメーターパネルまわり。スピードメーターの左側にあるディスプレイで充電残量やプロパイロット、イーペダル(運転支援システム)などの状況が確認できる
photo こうしてみるとスピードメーターよりも、現在の運転環境を示す表示パネルのアイコンやフォントによる情報表示に力点が置かれているのがわかる。EVにとって重要なバッテリー残量、充電ステーションまでの距離、安全のための運転支援システムがどのように動作しているかの状況が把握できる
photo コンソール中央部に埋め込まれたディスプレイには各種ナビゲーションが表示される。充電が必要になったときには停車するかナビシートの同乗者にスポットを検索すれば、充電ポイントまでの距離や充電施設の状況、環境を調べることができる。画面は高精細でフォントも読みやすく、タッチして操作するボタンデザインも認知しやすいが、ナビゲーターが操作するにはアイコンも画面もちょっと狭く感じた。駐車支援のプロパイロット パーキングはトップビューの生成画像がとてもよくできていて、狭い場所での駐車はとても楽だ

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