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あのとき、「ネットが消えた島」で何が起きたのか伊豆諸島航海日誌(1)(1/4 ページ)

» 2019年08月08日 07時00分 公開
[長浜和也ITmedia]

まずは何が起きたか復習しよう

 いまや、私たちにとってインターネットサービスは「インフラ」と化している。ビジネスで利用する多種多様なデータ通信からリアルタイムメッセージによるコミュニケーション、ビデオ会議、そして個人で利用する動画、音楽をカバーするストリーミングコンテンツにオンラインショッピング、ソーシャルゲームまで、あらゆるものでネットを使っている。

 人はいつでもどこでもインターネットに接続できる環境を熱望し、今では飛行機や外洋を航行する船、人工衛星からもインターネットに接続できるようになった。逆にいえば、現代人はもはや、どこまでも追いかけてくるメールやメッセージ、SNSの呪縛から逃れられなくなっている。

 と、思っていたら。

 昨日まで当たり前のように使っていたインターネットが、長期間使えなくなった地域があった。平成から令和に切り替わるころ、日本の東京都で。

 場所は伊豆諸島の新島、式根島、神津島、御蔵島。2019年4月末から5月の初めにかけて、NTT東日本が敷設した海底光ケーブルに不具合が発生し、光回線に依存するサービスが利用できなくなった。同社の発表では、4月22日午前6時40分に障害が起き、5月3日午前10時27分に復旧したという。

 4島の光回線を契約している事業所と個人宅では、インターネット接続サービスやデータ通信に関連した事業者向けサービスの他、電話やFAXも使えなくなった。加えて、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話回線も一部不通になった。

光回線が消滅した新島から同じ災難にあった新島村式根島をみる。式根島の奥にうっすらと神津島もみえる、はず(筆者撮影、以下同)
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