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» 2019年08月29日 21時20分 公開

AIの普及を加速 エッジAIで新会社、ドコモら出資

エッジAIの事業を手掛けるEDGEMATRIXが、NTTドコモらから計9億円の資金を調達した。

[村上万純,ITmedia]

 現場に近い場所でAIを処理できるデバイス開発などを手掛けるEDGEMATRIX(東京都渋谷区)は8月29日、エッジAI事業の本格展開に向け、NTTドコモ、清水建設、日本郵政キャピタルから第三者割当増資で計9億円の資金を調達したと発表した。製造業などでニーズの高いエッジAIの普及に向け、デバイスの提供などを行う。

写真中央がEDGEMATRIXの太田洋社長

 EDGEMATRIXは4月26日に設立。ITインフラ製品を提供する米Cloudianの日本法人で行っていたAI事業を、7月1日付で引き継いだ。5G通信を使ったIoTサービスが普及する時代は、4K/8Kの高精細映像などのやりとりが増える。大容量データをクラウドに送ると遅延や通信コストなどの問題があるため、エッジAIでこれをカバーする。工場やビルなど複数の監視カメラを使う場所での利用を想定する。

 EDGEMATRIXが行う事業は、(1)デバイス事業、(2)プラットフォーム事業、(3)ソリューション事業の3つ。デバイス事業では、現場に近いエッジでリアルタイムにAIを処理してデータを伝送できる小型装置「Edge AI Box」を用意。GPUや無線通信モジュールなどを搭載しており、監視カメラと連携できる。

 高精細な映像のAI処理をクラウドで行うには、5G通信のような高速かつ大容量なネットワークが必要だが、エッジデバイスでAI処理し、分析結果だけを伝送すれば通信の負荷を抑えられる。また、数値化されたデータを送るだけでよく、人物の映像データを残さなくて済むので、セキュリティ面でも優位性があるという。

提供するエッジデバイス

 Edge AI BoxなどエッジAIを統合管理するプラットフォームも提供する。地図上でデバイスの設置場所や状態を表示できる「Map View」や、カメラで撮影した多数の映像をAI処理して表示する「Edge View」など管理機能の他、パートナー認定されたAIベンダーが開発したアプリケーションをユーザー企業が購入できる「マーケットプレイス」を用意する。

 プラットフォーム開発に当たり、EDGEMATRIXはドコモと業務提携した。プラットフォームを通じて手早くアプリを使いたいユーザー企業と、アプリ利用者を増やしたい開発会社の橋渡しをする。プラットフォームは、2020年4月以降に商用化する予定。

 ソリューション事業では、EDGEMATRIXのパートナー企業と連携し、エッジAIを導入したいユーザー企業へのコンサルティングサービスなどを行う。現状のAI開発は実証実験をしてもなかなか実用化に結びつかないという課題があるため、上流工程のコンサルティングや、PoC(概念実証)などを専門性のあるパートナー企業と共にサポートするという。

 EDGEMATRIXの太田洋社長は「もっとAIを普及、浸透させて、AIを当たり前で身近なものにしていきたい」と意気込みを語った。

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