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» 2019年09月10日 22時00分 公開

2億4000万画素の衝撃! ソニー「α7R IV」で最先端核融合炉を激写した結果 (2/3)

[林佑樹,ITmedia]

世界最先端の核融合実験炉を2億4000万画素で激写

 JT-60SAは、フランスで核融合炉を建設中の国際的核融合実験プロジェクト「ITER」に先行して実験を開始する、日本の核融合実験器。完成は2020年3月で、ファーストプラズマ(稼働開始)は20年9月の予定。本格的な実験開始は25年の見込みだ。撮影は9月2日で、このときはクライオスタット(冷却装置)の取り付けが進んでいる状態だった。なお、今年の一般公開は10月20日。

 撮影ボディはα7R IV。レンズは「SEL1224G」と「MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical」。撮影パラメーターに関しては後述する。

 評価の原則としては、撮って出しのJPEG画像を掲載するのが筋なのだが、編集担当と協議したところ「1枚300MBの画像とか配信サーバも読者のパケットもアカンことになる」ということで、縮小画像と等倍切り出し画像の掲載で対応することにした。冒頭で紹介したじゅうたんの写真のみ、記事末尾で原寸大画像を掲載している。

 処理の手順は、Imaging Edgeで16枚合成もしくは4枚合成、起点となるRAWデータをTIFF(16bit、AdobeRGB、350dpi、ノイズリダクション:オフ)で出力、PhotoshopでJPEG(8bit、sRGB、72dpi、品質100)にコンバートの流れだ。また再サンプルはバイキュービック法のシャープ(縮小)を採用した。

 下記の写真はSEL1224Gを使用。設定はシャッター速度1/2秒、F9、ISO200、AWB(White)、長時間NRオフ。

赤い四角の部分が、1920×1080ピクセル分となる。1万9008×1万2672ピクセル→1280×853ピクセルにリサイズしたもの
16枚合成。白い長方形はマジックテープなのだが、細かい毛羽立ちも描写されている。溶接部分のディティールもよく描写されていることが分かる
4枚合成の場合。これも16枚合成に近い結果となっているため、どちらを使うかは好みによるだろう
通常の1枚写真のRAWデータの場合は、上記2点と比べるとディティールの崩れやハイライトの飽和が目立つ。目立つというか、こちらが本来のセンサー性能だ

 複数枚を合成するという性質上、どうしてもエラーとの遭遇率は高い。今回の場合であれば、送風で微妙に動くものがあったり、視認できないレベルでの光源の明滅、または画角内に入り込んだ動体などがエラーの原因となる。

上記サンプルの左下を拡大したもの。画角内の人物が撮影中に動いたことで、画像内左下に紫色や緑色の人物が写り込んでしまっている
読み込みが完了するといくらか補正されたが、エラーの跡は分かる

 Imaging Edgeの合成アルゴリズムでは、画面内に多少の動体があっても画面全体の破綻を抑える工夫をしているようだ。おおよそ、1枚目と近い位置に人が残っていることを考えると、2枚目以降で異なる部分がある場合は、2〜16枚目のデータを利用して差分を生成していると考えられる。

 別のパターンを見てみよう。70%ほどまで拡大してみたところ、問題なさそうと思ったのだが、等倍でチェックを開始したらエラーがあったというサンプルだ。レンズに「MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical」を使用。設定はシャッター速度5秒、F10、ISO100、AWB(White)、長時間NRオフ。

MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Asphericalはやっぱりステキだな、あっぽう!といった描写具合だが、赤い四角の部分を等倍で見てみよう
解像自体は問題ないのだが、ハイライト部分に注目して拡大していくと縞模様が出ているのが分かる

 上記は動体らしいものがないと確認した上での撮影だったが、照明の明滅や揺らぎなどにより、エラーが生じたケースと思われる。

 ただ、これはパッと見では分からないような細かい縞模様が出たという話なので、リサイズを掛ければあまり気にならなくなるだろう。

 他のサンプルでも同様に、等倍であちこち見ていると細かいエラーが散見された。こういった場合は、4枚合成の出番となるのだが、こちらでも類似のエラーが生じていたので、作品としては1枚目のRAWのみを残すことにした。

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