同社は2020年度の注力分野として、(1)顧客の業種業態ごとの最適な支援、(2)最新のITインフラへの置き換え、(3)クラウド・AI人材の育成、を掲げる。人材育成について、これまでは主に技術者を対象とするエンジニアリング寄りのプログラムを提供していた。岡執行役員は「人材育成には長年取り組んできたが、会社としてトップ3に入る優先順位になったのは初めて。業種業態別に最適なAI活用を支援できるよう、社内で組織再編をしたほど」と語った。世界市場で売上の半数を占めるというクラウド事業にも引き続き注力する。
同社によると、日本企業のAI導入率は3割程度で、戦略の中核としてAIを導入している企業は1割に満たないという。「PoC(概念実証)で結果が出ず、プロジェクトが止まってしまうお客さんを数多く見てきた。AIは小さく試して失敗することをいかに繰り返すか。それを実現するには経営者、事業責任者、現場担当者それぞれでAIへの知見を深める必要がある」と岡執行役員は危機感を募らせる。まずはマイクロソフトの顧客である大企業の経営層などを中心に受講を勧めるという。
「お客さまにヒアリングをしたところ、部長クラスなど役職区切りでの受講は得策ではないという声が多く、社内で影響力を持つ事業に特化した形で展開しようと思っている。今は『データが鍵』という共通見解はあるが、その次がない状態。ビジネスインテリジェンスの観点で、データやAIをどう活用するか、先を見据えながらお客さまと議論している」(岡執行役員)
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