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ラズパイで動体検知対応の監視カメラを作る名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ(第8回)(3/3 ページ)

» 2019年09月14日 07時00分 公開
[岩泉茂ITmedia]
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 「7 Advanced Options」を選び、一番上にある「Expand Filesystem」を選びます。すると自動的にファイルシステムを拡張してくれます。最後に再起動して終了します。

photo 「7 Advanced Options」を選択
photo 「Expand Filesystem」を選べば、自動的にリサイズしてくれる

 再起動後はTeraTermなどを使ってラズパイゼロにアクセスすると、パソコン側での操作が可能となっているはずです。画像ファイルのやり取りなどをする際にもSSH接続でパソコンから操作した方が楽ですので、SSHを利用できるように設定しておきましょう。

motionのインストール

 motionのインストールに移ります。その前にアップデートされているファイルがないか、以下のコマンドでラズパイを最新にしておきましょう。

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade

 mosionは以下の要領でインストールできます。

$ sudo apt install motion

 インストールにはかなりの時間がかかると思います。これはミニマルサイズのRaspbianを入れているため、motionを動かすのに必要なライブラリがそろっていないからです。

 インストールが終了したら、motionの設定ファイル「motion.conf」を編集します。以下のコマンドを入力してください。

$ sudo nano /etc/motion/motion.conf 

 motion.confの中身を見ていけば特に迷わずに設定できると思いますが、最低限以下の設定をしておいてください。設定項目は「Ctrl+W」で検索すると表示されます。

daemon on
norm 1
width 640
height 480
framerate 20
event_gap 10
stream_localhost off

 motionは以下のコマンドで起動します。

$ sudo motion

 起動させたらブラウザに「http://(ラズパイゼロのIPアドレス):8081」と入力してみましょう。いまラズパイゼロのカメラから映し出されている映像を見ることができます。

 またrc.localのexitより上に以下のコマンドを記述すると、Raspberry Piを起動したらmotionが動くようになります。まずはnanoを起動します。

sudo nano /etc/rc.local

 ファイルの内容が表示されるので、「exit 0」より上に以下のコマンドを記述すれば、ラズパイが起動したときに、自動的にmotionが起動するようになります。

motion &
photo 「/etc/rc.local」への記述

 motionを停止させるときは以下のコマンドを入力します。

$ sudo service motion stop 

motionの設定ポイント

 先ほどは動作させるための最低限の設定項目について紹介しましたが、これ以外にもmotion.confで設定しておきたいポイントはいくつかあります。以下に紹介していきましょう。

  • framerate

 motionでは、動きを検知したときに動画と静止画が保存されますが、撮影した画像はデフォルトでは「/var/lib/motion」に記録されます。動画については「framerate」で、大きな数を設定すると動きがなめらかになりますが、ファイルサイズも大きくなるので注意しましょう。

framerate 20
  • max_movie_time

 デフォルトの録画時間は無限大になっていますので、時間制限があるように設定してもよいでしょう。そのためには「max_movie_time」を「0」から「20」(秒数)などとすればOKです。保存されているファイルは、WinSCPを使えば取り出して見ることができます。

max_movie_time 20
  • output_pictures on、ffmpeg_output_movies on

 静止画や動画を記録したくない場合は、

output_pictures on
ffmpeg_output_movies on

の最後の「on」を「off」にすれば設定できます。

  • target_dir /var/lib/motion

 motionで撮影した画像や動画を保存するディレクトリを変更したい場合は、motion.confの

target_dir /var/lib/motion

とある記述を、保存したいディレクトリに指定すると変更できます。ファイルはWinSCPなどのFTPソフトでラズパイにアクセスしてPC側に保存すれば便利に使えるでしょう。

  • snapshot_interval

 motionを使って静止画のキャプチャーをする間隔を設定します(秒単位)。「0」とすると使わないという設定になります。

snapshot_interval 60 ←1分おきの記録
  • text_double

 motionで記録される日付などのデータは、フォントが小さいため見づらい場合もあるでしょう。ここで「text_double on」としておけば、より大きな文字で表示されるようになります。

text_double on
  • locate_motion_mode、locate_motion_style redbox

 motionが動きを感知したピクセルについて、四角で囲んで記録できます。onにすると記録開始です。

locate_motion_mode on

 locate_motion_modeをオンにした状態で、囲む枠を赤枠(redbox)、白枠(box)、赤十字(redcross)、白十字(cross)に設定できます。

locate_motion_style redbox

 このほかにもさまざまな設定が可能なので、motion.conf内にある説明を参考に、自分なりの設定を考えてみるのもいいでしょう。

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