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» 2019年09月17日 07時00分 公開

IoT家電を使うだけで仮想通貨が稼げる そんな世の中は夢物語ではないかも (1/3)

[山崎潤一郎,ITmedia]

 ネット接続に対応する家電製品を使っていれば、知らず知らずのうちにポイントが貯まり、それを暗号資産(仮想通貨)に換金できる──そんなホームオートメーションの世界が現実のものとなったとき、人々はその仕組みを受け入れるだろうか?

 IoTプラットフォームを開発・提供するジャスミー(東京都港区)が提案する近未来のホームオートメーション構想を聞いているうちに、筆者の中にそんな空想が芽生え始めた。

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 ジャスミーは、かつてソニーや同社米国法人で社長兼COOを務めた安藤国威さん、旧ソニースタイルドットコム・ジャパンなどで社長を務めた佐藤一雅さん、ソニーや旧ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ、旧ソフトバンクモバイルなどで要職を歴任した吉田雅信さんが役員に名を連ねる、2016年設立のスタートアップだ。エレクトロニクス業界における“重鎮度指数”がハンパないメンバーで構成されている。

 今回、筆者は「ブロックチェーン使ってIoTプラットフォームを構築する」という同社の構想に興味を持ち、取材に出向いたのだが、そこで語られたビジョンは、予想をいい意味で裏切る壮大なものだった。「単にブロックチェーンのビジネス利用」という枠に収まらない、生活の在り方さえも変えることになるかもしれない夢のある話だった。取材に対応してくれたのは、同社の吉田雅信副社長だ。

IoTのセキュリティ問題をブロックチェーンで解決

 「ブロックチェーン」と聞くと、多くの人は仮想通貨「ビットコイン」の名を連想するだろう。確かに、ブロックチェーンはビットコインを管理・運営するための中核技術なので、それは間違ってはいないのだが、そのブロックチェーンの優れた仕組みを暗号資産だけでなく、一般のビジネスにも利用しようという動きが近年活発になっている。

 ジャスミーは、IoTが普及した際の課題の1つとして浮上するセキュリティ問題をブロックチェーンで解決しようともくろんでいる。生活に密着した製品こそセキュリティには気を配る必要がある。ネットに接続したエアコンや冷蔵庫に何者かが不正にアクセスして、遠隔操作されてしまっては具合が悪い。

 IoTセキュリティについて1つの事例を示すと、筆者宅のエアコンは出先からiPhoneで遠隔操作できるが、現状のセキュリティ対策はIDとパスワードによる認証となる。専用アプリからエアコンのメーカーが設置したサーバにログインし、そのサーバを介して、オン/オフ、運転モード、温度設定などを操作する一般的なものだ。

photo 現状のネット接続家電は、メーカーのサーバにログインして遠隔操作を行う仕組み

 ログインに必要なIDとパスワードについて、筆者を含む大多数は基本的な盗用対策を行っているだろう。しかし、世の中にはメーカーの初期値のまま運用している事例も多いと聞く。

 そんな状態のIoT機器は、悪意ある者の標的になった瞬間に苦もなく侵入されてしまうだろう。あるいは、総当たり攻撃やリスト攻撃といった形で侵入される可能性もある。最悪なのは、他者攻撃の踏み台にされ、知らぬ間に不正アクセスの犯罪に加担してしまうことだ。

 スマホやPCであれば、操作中の挙動や画面表示などで侵入に気付けるかもしれないが、多くのネット家電は、そうはいかない。セキュリティ対策は、将来ネット家電が普及した場合の大きな課題だ。話は家電だけにとどまらない。あらゆる“モノ”がネットワークに接続するIoTにおいては、今以上のレベルのセキュリティ対策が求められるのは必至だ。

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