データが持つ本当の価値とは何でしょうか。また、データがあふれる社会で私たちはどのようにビジネスをし、日々の生活を送るべきなのでしょうか。
9月19日、元Amazon.comチーフサイエンティストのアンドレアス・ワイガンド氏が「Data for the people」と題する講演を行いました。ワイガンド氏は9月1日に、ZOZOテクノロジーズのデータサイエンスアドバイザーに就任。講演はZOZOテクノロジーズの社内イベントとして開催されたものですが、当日は社外のデータサイエンティストやエンジニアなども招待されており、約600人が収容できる会場はほぼ満席。データが持つ価値やイノベーションの起こし方、データを扱うときの注意点など、その話は多岐にわたりました。
ワイガンド氏は、Amazon.comの創業者兼CEOのジェフ・ベゾス氏と共にECプラットフォーム構築に尽力し、今日のAmazonの基礎を作り上げたとされる人物です。講演ではAmazon.comで実践したフレームワークなどについても語られました。
講演は「データは新しい石油だ(Data is the new oil)」という言葉で始まりました。それだけ現代社会ではデータが価値を持つということです。
もちろん、石油とデータには違いもあります。石油は枯渇するかもしれませんが、データは枯渇せずますます増えていくばかりです。「データを使えば新しいものが生まれる」という意味で、ワイガンド氏は「データは新しい土壌なのかもしれない(Data is the new soil)」とも表現しました。
データが重要なのは間違いないが、目の前のデータや数字だけにとらわれすぎてもいけない。そう指摘しながら、ワイガンド氏は「ところで、データはそもそもどのような価値を持っているのだろうか」と聴衆に問いかけました。そして、力強くこう言いました。
「Impact on decision ! 」
それは意思決定への影響力だ、と。意思決定にインパクトを与えないデータに価値はないというのは、非常に重い指摘です。ワイガンド氏はデータ単体で意思決定を下すのは難しく、データとデータをつなぎ合わせることで価値が生まれると主張します。
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