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仕事がときめくAIの魔法 〜ますくどめそっど〜マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(3/5 ページ)

» 2019年10月02日 07時00分 公開

 従来のワークフローをそのまま再現するのは、モノを捨てて減らす「お片付け」ではなく、モノを捨てずにうまく保管する「収納術」といえるでしょう。散乱したものを収納スペースに入れれば、見た目の印象は良くなります。

 RPAは良くも悪くも見た目のインパクトが強いため、決定権を握る偉い人の耳目を集めがちですが、「そのままの自動化」では根本的な解決にはならず、暫定的な改善にとどまります。AIでもRPAでも、無駄なものを「お片付け」しなければ失敗につながるという点は変わらないのです。

 AI導入でときめかない他の原因は、時間を掛けすぎること。時間がかかれば手間と費用も増えるため、それに見合った成果を出すのは難しくなっていきます。それを避けるためには、長期間で少しずつではなく、短期で徹底的にやるべきでしょう。今行っている作業を全て自動化するといった壮大な目標を立てると、この失敗に陥りがちです。

 これまでのやり方を変えたり、余計なものを捨てたりすることには、感情的な抵抗や負担も出てきます。やり方を変えず、余計なものを捨てずに済むならそれでいいでしょう。しかし計画が進まず、成果も出ないまま頓挫してしまうケースも見受けられます。

お片付けor収納?

 RPAよりも費用負担が大きいAIであれば、導入効果を見込める分野に投資すべきです。そこで「無駄な作業を排除しやすい」「業務に与える影響範囲が少ない」「業務改善による利益貢献につながりやすい」ような分野を優先して自動化しましょう。

 例えば、キオクシアホールディングス(旧:東芝メモリホールディングス)と米Clouderaによる取り組みが挙げられます。半導体業界では1%の歩留まり向上(不良品の削減)が、収益に大きく向上します。十分な費用対効果をあげやすい好例といえるでしょう。

こんな仕事はときめかない

 AI導入を検討する企業では人間がアナログで行う業務をそのままデジタルで再現している場合があります。具体的には社内システムの改修を従来の手順に合わせて繰り返したり、パッケージソフトをカスタマイズしていたり、などです。結果として、ワークフローが肥大化・複雑化して非効率となるので、それを解決するためにAIが登場するのです。

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