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仕事がときめくAIの魔法 〜ますくどめそっど〜マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(4/5 ページ)

» 2019年10月02日 07時00分 公開

 もしも他のパッケージソフト導入で解決するなら既に実践しているでしょうが、AIによる自動化を検討するのは定型的なパッケージソフトでは解決しない(あるいは解決させたくない)と判断したからでしょう。人間がシステムに合わせることを避けてきた背景も考えられます。このような会社では、「画面にボタンが1つ増えたためにソフトを使えなくなった」と主張する人が実在してもおかしくありません。

 それでもワークフローの見直しという「お片付け」をしなければ、ときめくAI導入には進めません。AI導入がときめくのは利益の創出であって、無駄な作業を自動化してもときめかないのは前述の通り。AIがときめかない作業を自動化する前に、人間がときめかない作業を「お片付け」しましょう。

 「お片付け」では、あなたが行っている作業の中で、「ときめくか、ときめかないか」を判断すればいいのです。ときめくかどうかの判断は、AIではなく人間がします。

 例えば、社内申請の書類にある決裁欄にハンコを押す作業はときめくでしょうか。会社によっては指定書類を印刷したり、書類をスキャンしたり、担当者にFAXしたり、PDFファイルを社内システムにアップロードしたり、電話やメールで報告したり、書類をファイリングして保管するでしょう。

 手続きがデジタル化されても、紙書類をPC上でそのまま再現して電子ハンコを押します。また、役職によってハンコを傾けて「お辞儀」させるルールもあるそうです(都市伝説かもしれませんが)。

 こうした一連の「儀式」とも見える行為に、ときめくでしょうか。ときめかない作業は、人間の手作業で行ってもAIで自動化しても意味はありません。アナログ作業をそのまま再現する意味も、社内申請のためPC上で紙書類を再現する必要も、上長の承認がハンコである必要もありません。

 業務改革において「AIに書類の内容を読み取らせて判別させる」という提案もありますが、そもそも業務で紙を使わずに済む方法を採用するほうが効率的です。「過去の執着」「未来への不安」が捨てられないまま、いつまでも時間ばかりが経過していませんか?

 これまでのやり方を維持するためではなく、新しい方法を実現するためにAIを使うのが、ときめくAI導入ではないでしょうか。

AIでハンコがおじぎ

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