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Facebookの全社会議Q&A録音がリーク 企業分割やLibra、競合についてのザッカーバーグCEOの社内向け説明

» 2019年10月02日 09時39分 公開
[ITmedia]

 米テクノロジー系メディアThe Vergeのケーシー・ニュートン記者が10月1日(現地時間)、米Facebookで7月に行われた2度の全社会議の2時間分の録音から、マーク・ザッカーバーグCEOによる質疑応答の一部を、音声付きテキストのみの2本の記事で公開した。

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 ザッカーバーグ氏は、従業員からの、競合するTikTokエリザベス・ウォーレン上院議員のGAFA分割案などについての質問に応えている。

 その中から一部を紹介する。

ウォーレン議員が大統領に選出されても、われわれは勝つだろう

 従業員からの「最近のFTCからの罰金、独禁法調査、エリザベス・ウォーレン上院議員のような政治家の台頭により、Facebookの解体が検討されていることについて、どう考えるか?」という質問に対し、ザッカーバーグ氏は「会社の分割については確かに心配している」とした上で、GAFA分割を主張するウォーレン議員が「大統領に選出されたら、われわれは提訴されるだろうが、訴訟に勝てると思う」と応えた。自国と対立したくはないが、誰であれFacebookの実存を脅かすのであれば戦うと語った。

 プラットフォームの分割は独占問題の解決にはならず、例えばヘイトスピーチ対策などは企業規模が大きくなければ対処しきれないとし、「だからTwitterはうちのようにうまくは対処できていない」と語った。

暗号通貨「Libra」実現が長い道のりであることは想定内

 6月に発表した暗号通貨「Libra」については、「社会の非常にソーシャルで重要な側面に触れる」プロジェクトであり、規制当局や政府機関に「より協議的なアプローチを取る必要がある」と語った。金融は非常に厳しく規制された空間であり、実現までのプロセスは長い道のりになると予想しているとも述べた。

TikTokは順調だが対抗策はある

 「TikTokが若者の間で影響力を強めていることを懸念していますか? また、攻撃計画はありますか?」という質問に対し、ザッカーバーグ氏は、TikTokが順調だと認め、「中国のByteDanceが提供するTikTokは世界的に成功した初の中国製サービスだ」と語った。

 同氏はTikTok対策は万全だとし、例えば現在(TikTokが提供されていない)メキシコなどでTikTok競合アプリ「Lasso」を立ち上げたのは、その一環だと語った。「われわれにはトレンドを研究して理解し、先行する時間がある」

 この他、なぜ絶対的な支配権を(株式によって)持ち続けているのか、モデレーター問題をどう思うか、脳直結出力システムのプライバシー問題についてなどの質問と答えが掲載された。

 この記事について、ザッカーバーグ氏は自身のFacebook投稿で、このQ&Aは「公開するつもりではなかったが、公開されているので、フィルタリングされていない私の主張に興味があれば、チェックするといい」と語った。

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