Facebook、「モデレーター」の悲惨さについての報道に「あれは珍しい例外」
「モデレーター」について「報じられた懸念は珍しい例外であり、決して一般的なことではないことを確認できるメカニズムを既に確立している」──。米Facebookのジャスティン・オソフスキ副社長は2月25日(現地時間)、米The Vergeが同日公開したモデレーターのインタビューに基づく「THE TRAUMA FLOOR The secret lives of Facebook moderators in America」(トラウマフロア 米国のFacebookモデレーターの秘密の生活)という記事に関し、こう語った。
モデレーターとは、Facebook上の問題のあるコンテンツの削除を判断する担当者のこと。同社はフェイクニュース拡散などについての批判が高まる中、パートナー企業を通して世界で多数のモデレーター(現在は約1万5000人)を採用し、問題のあるコンテンツのチェックを担当させている。
この記事は、The Vergeのケイシー・ニュートン記者が3カ月かけてアリゾナ州フェニックスのオフィスで複数のモデレーターにインタビューし、それをまとめたものだ。これまでFacebookは具体的なパートナー企業の名を開示していなかったが、記事で紹介されているのは米コンサルティング企業のCognizantが雇用しているモデレーターだ。
記事は、人が殺される動画やポルノなどを見て削除すべきかどうかを判断するトレーニングの段階で多数の候補者が脱落し、残ったモデレーターもPTSD(心的外傷後ストレス障害)のような症状になる現状を紹介している。そうしたモデレーターのメンタルをケアするカウンセリングサービスなどはいっさいなく、週に2、3回失敗しただけでも解雇されるので常におびえていると語ったモデレーターもいる。また、陰謀論のコンテンツを読んでいるうちに、それを信じ始めてしまったと複数のモデレーターが語った。精神的にきつい仕事だが、年収は約2万8800ドル(約320万円)。
オソフスキ氏は発表文で、「Facebookのコンテンツレビューに関しては、多くの疑問、誤解、告発があることを理解している」とし、問題が発生しないよう従業員のケアに優れた基準を持つ、信頼できるAccenture、Cognizant、Genpactなどのパートナー企業を選び、パートナー企業との合意には従業員のヘルスケアやサポートについて明示していると説明した。
「それでも急激な増員で問題が発生するのは避けられないこと」だとし、契約の標準化やパートナーとのコンプライアンスと監査プログラムの確立などで状況を改善していくと語った。
モデレーターについては昨年12月、The New York Timesが1400ページのマニュアルを入手し、問題点について報じている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
パナソニックHD子会社、使用禁止の生成AIに従業員約33万人分の個人情報をアップロード
-
2
AIに200万円渡してネットショップを1年運営させてみた──Alibabaの研究者らがシミュレーション 資産14倍の例も
-
3
PHP脆弱性でいち早くサービス停止したコドモン 背景に「被害が出てからでは取り消せない」
-
4
人に注射を打てる「サイボーグゴキブリ」の群れが、がれき下の被災者を救助? 実験成功率72%
-
5
「お名前.com」 のFX自動売買VPS、不正アクセスで金銭被害か 「600万円の損失」「55万円なくなった」……報告相次ぐ
-
6
タイムズカー、3000円の見舞金支払いへ 免許証画像漏えいの146万件対象 55億円の特損計上
-
7
PayPay、「免許証画像で本人確認」廃止 ICチップ読み取りに統一
-
8
PHP脆弱性“PoCフライング公開”の経緯、支援財団が公表 混乱広げた企業を名指しで批判
-
9
「AIでエンジニア派遣は不要になる」のか? 各社に肌感を聞いた 求められる人材、明確に変化
-
10
1000万のWebサイトで「生きたAPIキー」が大量に“丸見え”状態? 大手銀行やインフラの鍵も 米スタンフォード大などが調査
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR