KDDI総合研究所は10月2日、海中のスマートフォンからインターネットに接続する実証実験に成功したと発表した。青色LEDを用いた光無線通信技術を用い、海中と地上を結んだ。ダイバーは海中でスマホを操作し、ライブ映像を配信したり、地上のスタッフから届いたSNSメッセージを閲覧したり――といった操作を実行できたという。
実験は静岡県沼津市沿岸で9月に実施。ダイバーのスマホに防水処理を施した上で行った。スマホを海中で光無線ネットワークに接続する実証実験は世界初という。
青色LED光は、低遅延・大容量の無線通信が可能な点や、水中での減衰率が低い点が特徴。現在、水中では音波による無線通信が一般的だが、伝送速度が限られており、動画などのリアルタイム通信には適さないという。
今回の実験は、海中での作業やレジャーによるネット利用のニーズ増加を見越して、青色LED光の実用性を検証する狙いで実施した。青色LED光を発する通信装置を海中に2台設置し、防水処理を施したスマホに接続した結果、5メートルまでの深さで、ライブ配信とメッセージの受信を実現できたという。
今後研究開発がさらに進むと、青色LED光無線の通信距離が長くなり、海中にWi-Fiスポットを構築できる可能性があるという。同研究所は実現に向け、研究開発と調査・検証を進めるとしている。
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