国立情報学研究所(NII)は2月27日、水中で2年間以上安定的に動作する「水没コンピュータ」の実現に向けて、3月から実験を開始すると発表した。目的は、コンピュータの効率的な冷却のため。スーパーコンピュータやデータセンターなどで使われている高性能なマザーボードを水中で長期間稼働させることに挑戦する。
同研究チームは2013年11月から、マザーボードを水槽や海に沈めて直接水で冷却する研究開発をしているが、高い演算能力を持つCPUを搭載したマザーボードを複数相互接続したものを水中で運用するのは今回が初めて。運用は、屋内に設置した淡水の水槽内で行われる予定だ。
NIIは今回の実験により、「熱を逃がす一方で電気は通さず、かつ、高い耐久性を持つコーティングの方法やマザーボードの適切な構成や改造などを見出したい」とコメント。水没コンピュータの実用化に貢献したいと話している。
(太田智美)
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