本来は知識認証ともいえる「ふっかつのじゅもん」だが、その生成のための法則(アルゴリズム)は比較的単純なため、捏造(ねつぞう)も可能であった。
一時期、社会的ニュースをドラクエが予言していた! などと言って、ニュースに関連した単語の含まれる「ふっかつのじゅもん」が公開されることがあったが、あれはほとんどがアルゴリズムに沿って「ふっかつのじゅもん」を捏造したものである。
これはいわば、知識認証に対してアルゴリズム解析攻撃を仕掛けたといえるだろう。この例からも、パスワードの作成に「誕生日と名前の組み合わせ」などの単純なアルゴリズムを使うのは避けなくてはいけないこと分かる。
「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」では、なんとこの「ふっかつのじゅもん」が復活したのだ。どの機種でもセーブデータ自体は保存可能だが、どこで使用するのだろうか。
まず一つ目は、過去作の「ふっかつのじゅもん」を入力することによって、同じ勇者の名前のまま、ちょっと有利な状態でゲームを新規開始できるという機能だ。ドラクエI・IIのどちらでも入力可能だ。
ただ、本当に序盤にちょっと有利になるだけで、後半のゲーム進行にはほとんど影響は生じない。懐かしの「ふっかつのじゅもん」を保管してあるという人は、試しに入力してみても良いのではないだろうか。なお、先ほど紹介した捏造した「ふっかつのじゅもん」も入力可能だ。
二つ目は、他のハードとセーブデータを共有する機能だ。例えばPS4のドラクエXI内の教会で聞いた「ふっかつのじゅもん」を3DSに入力すると、その時の状態を大体再現して3DSでプレイできるようになる。ただ、「大体」というところがミソで、基本的にはシナリオの進行度しか保存されていない。パラメータはゲームの進捗(しんちょく)に応じた大体のもの、所持品もゲームの進行度に応じたものである(注)。
注:NintendoSwitch版ではゲームの進捗についてゲーム側でも選択できるようになっている
さすがに複雑化した現代のゲームのセーブデータを完全に保存するとなると、数千文字以上の「ふっかつのじゅもん」になってしまうので、仕方がないところであろう。
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