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トヨタ、AIとレベル4自動運転を搭載したコンセプトカーを公開 2020年には公道で体験イベントも東京モーターショー2019

» 2019年10月23日 19時44分 公開
[井上輝一ITmedia]

 トヨタ自動車が、10月23日に開幕した「第46回東京モーターショー2019」(東京ビッグサイト)で、AIエージェントとレベル4相当の自動運転技術を搭載するコンセプトカー「LQ」を展示している。2020年には公道で自動運転の体験イベントも行うという。

トヨタのコンセプトカー「LQ」

 LQは、同社が2017年の家電見本市CESで発表したコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i」をベースに、公道走行を行えるように改良したもの。「未来の愛車体験」がテーマで、クルマの愛着につながるような会話型のAIエージェント「YUI」を搭載する。

連続会話でコミュニケーション 眠い運転者を起こす機能も

 YUIは、トヨタと米Toyota Research Instituteが共同開発している。Appleの「Siri」やGoogleの「Googleアシスタント」のような、一回の受け答えのみを行うエージェントではなく、連続した会話でコミュニケーションを行えるのが特徴だ。

内装 円形ディスプレイがYUIのインタフェース。タコメーターは有機EL製

 YUIは運転者とのコミュニケーションの他、運転者の覚醒状態をモニタリングする。手動運転中に眠気の度合いがこれから高まると判断した場合は、シートに備えられた空気袋を膨らませて姿勢を変えさせたり、運転者の好きな音楽・話題などを提供したりすることで眠気を覚まさせる。逆に、自動運転中の際にはシートや音楽などで運転者をリラックス状態へ誘導する。

空気袋が仕込まれているというシート

自動運転中なら寝ていても問題ない「レベル4」

 LQの自動運転は「レベル4」相当で、限定区域内でシステムが全ての運転タスクを行える。運転の責任はシステムが負うため、自動運転中であればユーザーは寝ても問題ない。

 パナソニックとの共同開発で、無人自動運転で駐車場に入出庫が行える「無人自動バレーパーキングシステム」と、進行方向の路面に情報をAR表示する「AR-HUD」も搭載した。AR-HUDでは、例えばナビゲーション中に、次に曲がる場所を視覚的に分かりやすく表示できるという。

 車内のランプの色は、クルマが自動運転中か運転者による運転中なのかを示す。具体的な色は、「業界で統一が必要なので、各社と協議を進めている。そろそろ決まる見込みだ」(トヨタ ZEV B&D Lab 益田稔主幹)という。

車内ランプの色は運転状態を表し、外から歩行者などが見て分かるようにする

 「『トヨタはコンセプトカーを出すだけ出してその後が続かない』とよくいわれる。しかし、今回のモデルは17年のコンセプト発表から着実に開発を続けており、20年には公道での試乗も行う」(同)

 同社はAIエージェントや高度自動運転といった技術革新に前向きに取り組んでいることをアピールしたい考えだ。

リアの外観

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