楽天は11月5日、2019年12月期第3四半期(19年7月〜9月)の連結決算の発表に先立ち、第3四半期に約1030億円の減損損失を計上する見込みと発表した。楽天が出資中の米ライドシェア企業Lyftの株価が下落したためという。
楽天は15年にLyftへ3億ドルを出資。Lyftが19年3月にNASDAQへ上場したため、第1四半期には有価証券評価益1104億円を計上していた。第2四半期には、同社を持分法適用会社に変更したことに伴い、1094億円の有価証券評価損を計上した。
Lyftの株価は、上場日の1株88.6ドルが最高値で、以来上下しつつも下降トレンド。10月10日には上場以来最安値の37.07ドルを付け、11月4日(現地時間)現在1株43ドル前後で推移している。
Lyftの株価下落の原因には、上場後に数件の訴訟を起こされていることなどが挙げられる。米Bloombergによると、2人の株主が4月、「もくろみ書で米国での市場シェアを39%だとしたのは誇張で、実態が露呈して株価が下落した」として同社に対し訴訟を提起したという。9月には、性的暴行を受けた14人の被害者が同社に対し、「ドライバーの中に性犯罪者がいる危険について適切に対応していない」と訴訟を起こしたと米BUSINESS INSIDERなどが報じた。
楽天は「Lyftの株式について市場価格が著しく下落したことから減損しているという客観的な証拠があると判断した」とし、当期末日の9月30日の市場評価額で帳簿価額と比較して減損損失額を計算したとしている。
楽天は、11月7日に第3四半期連結決算を発表する予定。
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