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成熟したスマホ、求められるのは独自機能で差別化 大画面を生かすGalaxy Note10+の「Sペン」は一つの正解(2/2 ページ)

» 2019年11月20日 07時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]
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 そこでペンが使えるスマホの出番です。Galaxy Note10+には、Sペンの性能を最大限に享受できる「Galaxy Notes」という専用アプリがプリインストールされています。同アプリは、iPhoneでいうところの「メモ」同様、テキスト、手書き、画像の貼り付けができますが、それだけではありません。手書きした文字を一気にテキスト化してくれるのです。

 使い方は簡単で、手書き入力中に表示される「T」ツールをタップするだけ。手書きメモとして保存した後でもSペンで手書き部分をタップすれば編集モードに切り替わるので、後からでも同じ事ができます。

ツール類は下部に集中している。「T」が手書き→テキスト変換ツールボタン。表示された認識結果をクリップボードにコピーすることもできるし、「変換」をタップすれば手書き要素をなくすことも可能

 一部分だけテキスト化したい場合は「選択」ツールをタップして該当箇所を選べばメニューが表示されます。そこから「テキスト化」をタップするだけで再利用可能なテキストを取り出せます。

選択ツールをタップしてから、テキスト変換したい手書き文字を選び、表示されたメニューから「テキスト抽出」をタップすれば、選択した箇所だけがOCR機能で読み取られる

 さらに、保存したノートは「共有」ツールでWordにも変換可能。全てOCRでテキスト化されたメモはテキストオンリーとなりますが、手書き文字を残したものであれば、テキストと手書き文字の両方を記録したドキュメントへ賢く変換されます。

保存済みメモを開いて「共有」から「Microsoft Wordファイル」を選べばWordへと変換できる。エクスポート先は各種チャットツールやメール、クラウド系ドライブなどが選べる
音声入りのGalaxy Notesアプリファイルをエクスポートすると、1ページにあるように録音データがあることを示す図も表示される

 さすがに録音した音声まではエクスポートできませんが、元のファイル(Galaxy Notes形式のファイル)に音声が記録されていることを示すアイコンが「図」として表示されるので、数字や微妙な言い回しなどを確認したくなったら、Note10+を開いて再生すればいい、というわけです。

 ペンの使い勝手も工夫されています。アプリの起動中や画面オフ状態でも、常にSペンを取り出すと手書きメモを作成できる機能があります。紙の手帳を開いてペンホルダーからペンを引き抜いたらすぐにメモし始められるのと同じ挙動ですね。

Sペンを取り出すと即座にメモが取れる「画面オフメモ」機能

 オフィスで働くビジネスパーソンにも、Note10+とSペンの組み合わせはオススメです。ノートPCを持ち込めないような打ち合わせなどの際、Note10+とSペンを使えばメモも取れますし、議事録などの作成もスムーズにできるからです。

 スマホは肌身離さず持ち歩くものなので、「あ、紙とペンがない」という状況に陥らない、最高のデジアナ環境が、これ1つで構築できるのです。

 難点があるとすれば、やはりスマホ本体が大きすぎて落としそうになること。本体にも専用の手帳型ケースにもストラップホールがないため、どうしたものかと目下のところ思案中です。

 とはいえ「ペンが使える」という実用性があることで、大画面のスマホを持ち歩く上で納得感のある動機付けになっていると感じています。

スマホは今後、どのように進化する?

 スマホは誰もが持つ端末となり、OSやハードウェアの完成度もこなれてきたことから、目新しさを感じにくくなりつつある製品になっています。これからはペンや折りたたみ機構に限らず、アームバンドタイプやロール式、デジタル一眼レフ並みのカメラ機能、プロジェクター内蔵など、上位モデルは独自機能や形状で一層の差別化が進んでいくかもしれません。

 今はSペンが使えるGalaxy Note10+が「最強だ!」と思っていますが、これからどのような端末が出てくるのか、まだまだスマホの進化が楽しみでなりません。

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