イラクのミドル・テクニカル大学と南オーストラリア大学は、災害時などにドローンとアクションカメラを使って要救助者の生死を判定する手法を発表した。
この手法では、被災地の上空にドローンを飛ばしてホバリングさせ、アクションカムで地上で横たわる人間を撮影する。ドローンに搭載したビジョンシステムが、被災者の胸の動きから心肺運動を検出・分析し、生死を判定する仕組みだ。
両大学がこの手法の精度を検証する実験を行った結果、100%の精度で生死を判断したという。
実験ではまず、3軸ジンバルに「GoPro HERO 4」を取り付けたドローンの他、マネキンを1体用意。複数の人種からなる被験者8人(20〜40代)とマネキンを地面に横たえた。
次に、ドローンを被験者とマネキンの4〜8メートル上空でホバリングさせ、カメラの映像から骨格を検出するシステム「OpenPose」を使用。被験者とマネキンの胸部を特定し、心肺運動の信号を検知・分析させた。
その結果、うつ伏せ・あお向け・横向きなど、どんなポーズを取っていた場合でも、システムは確実に死者(マネキン)を判定したという。
研究チームは今後、この成果を地震・洪水・雪崩などが起きた際の人命救助に役立てたいとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR