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タッチパネルに透明シートで、ジョイスティック的な操作可能に 東北大と芝浦工大が開発Innovative Tech

» 2019年11月27日 14時00分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 東北大学電気通信研究所と芝浦工業大学の研究チームは、タッチパネルに透明なシートを重ねて動かすと、スクロールやズームなどジョイスティックのような操作ができるインタフェース「ShearSheet」を発表した。

photo (a)シートの上から通常のタッチ入力、(b)シートをスライドさせる速度制御入力、(c)スマートフォンに搭載したプロトタイプ

 ShearSheetは、透明なシートをタッチスクリーンに重ねてゴムで四隅から固定し、その範囲で弾性力を利用してスライドさせるという安価な方式を採用。通常のタッチ入力には影響を与えずに、タッチスクリーン上で連続的な入力が可能なため、ジョイスティックのような速度制御ができる。

 指を離すとゴムによる弾性フィードバックによって初期位置に戻る。移動量は、導電性テープを用いてスマートフォンにタッチ位置の変化として認識させることで検出する。新たにセンサーなどを追加する必要がないため、速度制御を安価に実現できる。

photo ゴムで元の位置に戻る

 透明シートは十分に薄いために、シート上から従来通りのタッチ入力(位置制御)も可能だ。位置制御と速度制御の異なる2つの入力を統合することが可能となり、例えば、短距離のスクロールの際には通常のドラッグ操作、長距離のスクロールの際にはシート自体をスライドさせる操作で高速スクロールできる。

 地図コンテンツでは、ドラッグを通常のスクロール操作に、透明シートの移動を速度制御による連続的ズーム操作にそれぞれ割り当てることで、片手だけで2系統の操作を同時に実行できる。デモ映像では、閲覧する動画の早送り、巻き戻しに応用する様子や、カーレースゲームの運転操作に応用した例なども紹介されている。

photo カーレースの運転も直感的に

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