足りないキーはどうしているかというと、配列レイヤーを入れ替えるキーをデフォルトの配列に設けておくことでカバーすることになる。これを押しながら他のキーを押すことで、物理的なキーの数を超えたキー入力を行うことができる(ノートPCユーザーであれば「Fn」キーを押すことで輝度調整などの操作ができることを想像してほしい)。Corne Cherryのデフォルトキーマップを例に見ていこう。
このように、少ないキーのキーボードではレイヤーを駆使して入力を行うのが特徴だ。少ないキーを補うだけでなく、指の移動が通常のキーボードと比べて少なくなるため、結果として指への負担が少なくなるという利点もある。
次に変態配列と通常の配列の切り替えだが、慣れの期間が必要なものの何も心配する必要はない。両手がキーボードの上に乗った瞬間にそれぞれの配列で指が動くのだ。人間の脳は思ったよりも柔軟にできているらしい。
この慣れの期間は人によってまちまちなので一概に言えないが、タッチタイピングができている人にとっては1〜2週間で普段のキーボードの8割ぐらいのスピードで入力できるようになると思う。もちろん、仕事で使うキーボードとすぐに入れ替えるような運用では仕事の能率が下がりかねない。いきなり入れ替えるよりは、PCに接続して横に置いておき、気分が向いたらちょっとずつ触るなどして「慣らし」をしていくことをおすすめする。PCゲーム用途など趣味用として使い始めるのもありだろう。
以上で自作キーボードキット「Corne Cherry」の組み立ては完了だ。今回は日本国内でオーソドックスな左右分離型のキーボードを例に組み立ての流れを紹介したが、もちろんこれ以外にも国内や海外まで手を広げれば一般的なスレート形状のキーボードや、はんだ付けが不要なキットも販売されている。ダイオードのはんだ付けから組み立てさせるキットはなかなかに時間がかかり、初めての人には難しく感じられるかもしれない。しかし、手間を掛けて組み立てたキーボードには一層の愛着も湧くというもの。
次回以降は今回取り上げた各パーツについてもう少し掘り下げ、自作キーボードの世界の深い“沼”の部分を掘り下げていく。
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