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こっちの沼は深いぞ、自作キーボード組み立て入門 左右分離型の「Corne Cherry」で各工程を解説ハロー、自作キーボードワールド 第2回(4/5 ページ)

» 2019年11月28日 14時00分 公開
[ぺかそITmedia]

スイッチソケットの取り付け 後からキースイッチ交換可能に

 はんだ付け作業の最後に、スイッチソケットを取り付ける。これはキーボードのキースイッチを接続するためのソケットで、これがあることによりホットスワップ(取り外し可能)なキーボードとして後でキースイッチの交換などができるようになる。スイッチソケットによるホットスワップができるかどうかは、各自作キーボードの設計で決まっている。後からキースイッチを変えてみたい場合は、スイッチソケットを使うキットを選ぶのがいいだろう。

スイッチソケット取り付け時 スイッチソケットは向きがあり、基板に正しい向きでしかはまらないようになっている
全てのスイッチソケットを含む電子部品を取り付けた状態。これではんだ付け作業は完了

キースイッチ取り付けとケースの組み立て

 最後にキーボードのケースを組み立てていく。今回は別途青いアクリルで注文したプレートとケースを使って組み立てていく(もちろんデフォルトのプレートを使っても問題ない)。プレートにスペーサーを取り付け、底のボトムプレートと一緒に基板を挟むような形に組みつける。

プレートとキースイッチを取り付けている様子プレートとキースイッチを取り付けている様子 プレートとキースイッチを取り付けている様子。まずプレートの四隅にキースイッチをはめ込み、基板に取り付けてから残りのスイッチを取り付けるとやりやすい
全てのキースイッチと、マイコン基板、有機ELモジュールを保護するプレート(右上)を取り付けた様子
再びケーブル類を接続して動作確認。有機ELは白色だが、青色のアクリルを透過し雰囲気よく着色されている

キーキャップを取り付けて完成!

 ケースも組み立て、最後はキーキャップを取り付けて完成となる。デフォルトのキーマップを参考に取り付けてもよいし、カスタムしてももちろんいい。ファームウェアでのキーマップのカスタマイズに関しては今回深く取り上げなかったが、QMK Configuratorで簡単な編集は可能で、より複雑な変更についてはネット上にカスタム方法を取り上げた記事があるため参考にしてみてほしい。自作キーボードはハードを組み立てるまでに深い沼があるが、組み立てた後もキーマッピングやマクロ機能といったファームウェア編集の沼が待ち構えている。これを悩む時間もまた楽しいものだ。

完成した自作キーボード「Corne Cherry」。使用したキーキャップ「MDA ORTHO VoIDキーキャップセット」はカラフルなカラーが特徴だが、今回はモノトーンなキーで揃えてみた。アクリルで注文した深い青色が映えてとてもかっこいい
暗闇でLEDを点灯させた様子。明るさだけでなく色やアニメーションなども変更できるため、いわゆるゲーミングキーボードのように虹色に光らせる以外にも部屋の雰囲気に合わせて光らせるのもいいだろう

少ないキー数でも入力できる理由

 Corne Cherryのキー配列は、42キーという数からも分かるようにほとんどが英字部分だけで、テンキーやファンクションキーはおろか、数字や一部の記号すらない“変態”的な配列だ。この手の自作キーボードを初めて見る人は「こんなもので入力ができるのか、これに慣れたら普通のキーボードが使えなくなるのではないのか」と心配になるかもしれない。確かに慣れの期間は必要だが、いったん慣れてしまえば十分に文字入力が可能で、他のキーボードとのスイッチも問題なく行えると筆者は考える。

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