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» 2019年11月28日 07時00分 公開

古地図に記された災害の記憶 旧地名はスマホで確認できる (1/2)

前回、紹介した「ハザードマップ」と併せて利用したいのが、過去の地名や建造物が記された古地図を見られるWebサイトやスマートフォンアプリだ。先人が残したさまざまな情報が詰まっている。

[片岡義明,ITmedia]

 前回紹介した「ハザードマップ」と併せて利用したいのが、過去の地名や建造物が記された古地図を見られるWebサイトやスマートフォンアプリだ。ハザードマップが地形など現在の状況を細かく分析し、シミュレーションの結果を地図上に分かりやすくまとめたものであるのに対し、古地図には過去に先人が残したさまざまな情報が詰まっている。

小特集:地図に学ぶ

著者紹介 片岡義明(かたおか よしあき)

専門新聞社や出版社勤務を経て、1999年よりフリーランスライターとして活動。ITの中でも地図や位置情報を中心テーマとして取り組む。測量士。

 日本には「水害に注意」といわれる地名が多い。例えば「沼」「池」「川」「淵」「江」など水を連想させる地名や、「田」のように水田地帯であったことを示す場所、「蓮」「葦」など水辺の植物の名前が付いたエリア、「谷」「沢」「窪」など低地を連想させる地名などだ。市町村合併や再開発などにより、現在では消えてしまった地名も多いが、古地図を見ると旧地名とともに、昔はどのような土地だったのかが分かる。

 地名と一緒にチェックしたいのが、創建の古い神社や旧街道、宿場町などの位置。古い神社が昔から変わらず、ずっとそこにある(または、過去に災害に遭った神社が他の土地からその場所へ移動してきた)ということは、その場所が長年の間、災害から免れてきた可能性が高い。また、旧街道は過去の津波や洪水が到達したエリアを避けて通っている場合がある。河川の位置も水害や治水工事をきっかけに変わることがあるので、古地図を見て現在の流れと違う場合はその土地の歴史を調べておきたい。

複数の地図を横並びで比較

 古地図を見られるサービスの中で定番とされているのが、「今昔マップ on the Web」というWebサイトだ。「時系列地形図閲覧サイト」と銘打ったこのWebサイトでは、全国37地域の明治期以降の古地図を、現在の地図と比較できる。収録している旧版地形図は3759枚に及ぶ。

「今昔マップ on the Web」

 トップページから見たいエリアをクリックすると、地図画面となる。左に古地図、右に現在の地図が表示される。左の地図のほうをマウスドラッグでスクロールさせたり、ホイールで拡大・縮小させたりすると、それに連動して現在の地図も同じ位置を同じ縮尺で表示される。

 また、左メニューの「地図不透明度」を変更すると、古地図と、国土地理院の「地理院地図」を重ね合わせて情報を表示できる。左と右の地図は、いずれも地理院地図のほか、OpenStreetMapや航空写真(空中写真)、地形が分かる「色別標高図」や「陰影起伏図」、明治時代に作製された「明治期迅速測図」などさまざまな地図に切り替えられる。デフォルトでは2つの地図が表示されているが、1画面や4画面に切り替えることも可能で、複数の異なる地図を同時に見比べられる。

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