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カフェインやGABAを「吸引摂取」 元JTのエナジードリンク好きが作った電子デバイス「ston」発売

» 2019年12月03日 16時56分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 スタートアップのBREATHER(東京都港区)は12月3日、電子たばこに近い技術を用いてカフェインやGABAを摂取する新しい吸引デバイス「ston」(ストン)を発表した。Amazon.co.jp限定販売で、価格は6000円(税別)。

「ston」(ストン)は4色展開。左上から鉄紺(てつこん)、浅葱(あさぎ)、茜(あかね)、月白(げっぱく)

 同社の菅沼辰矢社長は、JT(日本たばこ産業)出身だが、stonはニコチンを含まない。「製品コンセプトはビジネスパーソンの“ひと休み”の質を高めること。もう一踏ん張りしたいとき、気分を落ち着かせたいときに使えます」と話す。

 専用カートリッジは、ミントフレーバーでカフェイン含有の「POWER」と、ココナッツフレーバーでGABAを含む「CALM」の2種類。カートリッジ1本で250回の吸引が可能で、3本入りパッケージを各1800円(税別)で販売する。

 外観は、名前の通り河原にある石のよう。ふたを外し、パイプをくわえて吸うと電源がオンに。カートリッジ内のリキッドが低温加熱され、蒸気が発生する仕組み。蒸気と一緒にミントやココナッツのフレーバーが口の中に広がる。

カートリッジ内のリキッドが低温加熱され、蒸気が発生

 もともとエナジードリンクが好きで、生理活性物質の探索や効率の良い摂取方法を検討していたという菅沼氏。「お茶やコーヒーを飲んでも、カフェインが消化器官を介して血中を巡り、脳に至るまでには30分から120分かかるといわれています。しかし、経肺摂取(吸い込んだ場合)なら数秒という研究結果があります」。例えば大事な会議の前に目を覚ましたい、気分を落ち着かせたいといったときは即効性が重要と指摘。「ひと休みは、気分転換になると同時に、次の仕事に向けた準備です」(菅沼社長)

 安全性にはとくに配慮した。stonの蒸気に含まれる物質を分析し、すべて基準値を下回ることを確認。カフェインの摂取量についても、先進国で最も厳しいといわれる英国食品基準庁(FSA)の基準を用いて検証した。「カフェインは、経口摂取の場合で(最も基準の厳しい)妊娠した女性は1日200ミリグラム以下とされています。接種法の違いを考慮しても、stonでこの量に達するには1日に1000回も吸引することになります」。

BREATHERの菅沼辰矢社長

 「大学の授業が1コマ90分であることから分かるように、人間の脳が連続して集中できるのは90分が限界と言われています。しかし、オフィスでは『休憩する』と言い出しにくい場合もあるでしょう。そんなとき、stonのようなハードウェアは、(休憩をとる)きっかけになると思います」(菅沼社長)

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