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高額転売チケット、5分で発見 RPA活用、富士通と川崎フロンターレが実験

» 2019年12月09日 11時56分 公開
[ITmedia]

 富士通と川崎フロンターレは12月9日、RPA(Robotic Process Automation)を活用して、ネット上で流通しているチケット情報を収集・分析し、定価以上で販売されているチケットを約5分で発見する実験に成功したと発表した。実験は7〜9月に行い、仕組みの有効性を確認できたという。今後はサイン入りグッズなども監視し、高額転売を防ぐ。

photo チケット転売対策のシステム概要

 RPAは、人間に代わってソフトウェアのロボットがアプリケーションを操作し、業務を自動化する仕組み。実験では、富士通のRPAパトロールロボットがチケット転売サイトを定期的に巡回。販売されている川崎フロンターレのチケット情報を洗い出し、出品者IDや出品日時、出品名、画像、落札金額などを自動で収集した。

 その結果、定価以上で販売されていた約70〜300件のチケットを約5分で一覧化することに成功したという。

 分析結果に基づき、転売サイトに掲載取り消しを依頼。購入者や出品者に対し、チケットを無効化するなどの措置を講じたという。試合日から逆算して最も出品数が多い時期を把握し、SNSで不正転売防止に向けた啓蒙活動も行った。

 今後はチケットに限らず、サイン入りグッズなどにもRPA活用を検討していく。

 富士通はスポーツやコンサートなどのイベント興行主に対しRPAの導入を図り、川崎フロンターレはチケット転売サイトとの交渉や、SNSでの啓蒙活動を継続していく考えだ。

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