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リンガーハット、AIで売上予測 “店長の勘”頼りだった仕入れ、精度向上へ

» 2019年12月16日 17時40分 公開
[ITmedia]

 長崎ちゃんぽんのチェーン店を運営するリンガーハット(東京都品川区)が、AI技術を活用し、日別・店舗別の売上を予測するシステムの導入を進めている。日本マイクロソフトが12月16日に開いた記者説明会で明らかにした。今秋からPoC(概念実証)を実施しており、本格運用を目指す。担当者が経験や勘に頼って立てていた目標の精度を向上させ、販売機会・食材のロスを削減する考えだ。

photo リンガーハットは、老朽化していたデータウェアハウスをMicrosoft Azure上に移行。その上で、マシンラーニングを活用して売上を予測するシステムを構築し、試験的に運用しているという
photo リンガーハットの是末英一氏(情報システムチーム部長)

 同社では、各店舗の店長が日別の売上目標を設定して原材料を発注する業務を担い、負担になっているという。同社の是末英一氏(情報システムチーム部長)は「ベテランの店長は天候や過去の経験から売上目標を立てるが、新人の店長や常駐のパートリーダーはそうした知見が少ないため、原材料の過不足をうまく予測できない」と指摘する。

 そこで、同社はクラウドサービス「Microsoft Azure」上に、AIが売上を予測するシステムを構築。過去3年分の日別・店舗別のデータを基に、立地なども加味して売上を予測する仕組みという。

 現在はPoCの段階だが、是末氏は「精度は満足できるレベル」と説明。今後、同社が運営するとんかつチェーン「浜かつ」などにも展開する計画だ。

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