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» 2019年12月17日 15時00分 公開

クラウド会計のfreeeが上場、終値2700円 公開価格を35%上回る 佐々木CEO「次世代の金融サービスにも投資する」

クラウド会計ソフトを提供するfreeeが東証マザーズに上場した。午前9時の取引開始から買い注文が集まり、午前9時48分に取引が成立。公開価格(2000円)を25%上回る2500円の初値を付けた。終値は2700円で、終値ベースの時価総額は約1259億円。佐々木CEOは会見で「次世代の金融サービスにも投資していきたい」と意欲を見せた。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 クラウド会計ソフトを提供するfreeeは12月17日、東証マザーズに上場した。午前9時の取引開始から買い注文が集まり、午前9時48分に取引が成立。公開価格(2000円)を25%上回る2500円の初値を付けた。終値は公開価格を35%上回る2700円で、終値ベースの時価総額は約1259億円。

 freeeの佐々木大輔CEO(最高経営責任者)は、同日開いた会見で「ここからが当社の第一章。襟を正し、さらに事業を進めていきたい」と熱弁を振るった。佐々木CEOは「上場で調達した資金を活用して、製品の質をさらに進化させ、顧客基盤を拡大する。その上で、次世代の金融サービスにも投資していきたい。ゆくゆくは“人工知能CFO”も提供したい」と展望を語り、業態の拡大に意欲を見せた。

photo 上場セレモニーで笑顔を見せるfreeeの佐々木大輔CEOと社員

 freeeは2012年創業。「クラウド会計ソフト freee」「人事労務ソフト freee」など、中小企業や個人事業主のバックオフィス業務を支援するSaaSを、サブスクリプション方式で展開している。導入企業数は100万件超という(18年4月時点)。

 19年6月期の通期連結業績は、売上高は45億1600万円、営業損益は28億3000万円の赤字、最終損益が27億7800万円の赤字。研究開発費や広告宣伝費に先行投資していることから赤字での上場となったが、初日の値動きを鑑みると、投資家は期待を寄せているようだ。

 佐々木CEOは会見で、黒字化する時期のめどについては明言を避けたが、「当社のビジネスモデルでは、顧客が解約した場合は収益を得られなくなるため、製品の継続的な改善が必要だ。ある程度の顧客獲得コストはかかる」と説明。「安定的な利用が進めば、収益は上がってくる。期間損益でみた収益性も改善されるだろう」とし、今後も機能改善に向けて投資する方針を示した。

photo freeeの株価の動き(=Yahoo!ファイナンスより)

 収益性を強化するため、freeeは12月、20年から個人事業主向けプランを値上げすることと、低価格帯の法人向けプランの一部機能を制限し、上位プランへの移行を促進することを発表。一部ユーザーから戸惑いの声が上がった。

 この点について佐々木CEOは「ネット上で“10倍値上げ”と話題になったが、一部の料金プランは見直しを行った。新しく追加した機能もあるが、上位のプランでないと利用できない機能もあった。こういった見直しを行った結果、一部で誤解が生じた。今後はこうした誤解を生まないように、しっかり理解して利用してもらえるよう、コミュニケーションを良いものにしていきたい」と語った。

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